↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新延長:avenir or cmeptb  作者: 依冬×夜霧 裕
近代ジパング編
29/113

第27話 戸室綾

 戸室綾は西暦1412年、ジパング日本州の出雲で産まれた。

 戸室綾は普通のクノイチとなる筈であったが、生れつき左腕が無かった。これは偶発的な事故だと思われたが、綾本人の見解は違う。

 綾は生後3年、つまり3歳の誕生日の日に、前世の記憶を思い出したのだ。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 生れつき病弱であった彼女はいつも屋敷の自室で寝込んでいた。

 又、彼女も前世の記憶を持ち合わしていた。綾と同じく、3歳の時に思い出した。

 思い出したはいいが、身体が病弱なのでは、例え生まれ落ちたその家が金持ちだったとしても、何の得もない。ということで、ただ寝込むだけであった。

 その時思い出した記憶でも、彼は前世の記憶を持ち合わせていた。恐らくこれは魂にかけられた永久の呪いなのだと彼女は思った。しかし、毎回ひとつ前の記憶しか思い出せない。それに、前世の記憶を思い出せるとしても、それは薄いものだけである。


 外に出られるのは、時々独りで来る友人が遊びに来た時だけであった。


 ある日、彼女は原因不明の病にかかる。

 家族と友人は必死になって治療法を探すが、見つからない。

 13歳の時、彼女は安楽死を希望した。自分の死がもうそう長くない事を悟ったのだ。勿論のこと、家族と友人、メイドや執事まで反対した。

 だが彼女は反対を押し切り、眠薬をいつも左腕に刺していた点滴に投与し、来世はもっと頑丈な身体に産まれたいと願い、その命を終えた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 綾は、それが因果で左腕が無いのだと思った。


 戸室家は、いつからか狙われるようになったイザナミ祠を守る甲賀の御三家の1つである。

 甲賀は、元々、ローマギリシアの皇帝イヴの干渉によって、滋賀県付近に誕生した忍者集団だった。だが、イザナミ祠を守る依頼を受け続けている内に、いつの間にか出雲に拠点を移した。

 現在、御三家は戸室家、御手洗家、天木家である。



 戸室家は現在危機に瀕している。当主戸室有子は華族である大和拓海を婿に迎え入れ、男の子を産むが、その子は成長しメルボルンの中学校へ行く事になった。だが、彼が乗った飛行機は謎の不時着事故を起こし行方不明となる。

 有子は拓海と離婚するが、後に、女の子を身篭っている事に気づく。


 綾は母親によって、高級な義手を付けられた。

 これは、甲賀としての役目を果たさせる為であるが、綾が最後に残った家族であるということも、理由の1つであっただろう。


 だがそんな有子も皮肉な事に、メルボルン行きの飛行機で事故に遭い、その命を絶やす。


 1人残された綾であったが、母が父親からもぎ取った金で、特に不自由なく暮らすのである。

 甲賀としての調子は中々に順調であった。同年代の子が3人いたので、友達にも困りはしなかった。それに、この数年間、侵入者は特にいなかったというのもある。


 そのまま月日は流れ、綾は高校三年生となる。

 進路に悩む綾だが、そのせいか熱を度々起こすようになる。前世での事を彷彿とさせる出来事であるが、それはそれ、これはこれ精神で二学期を迎える。

 そんなある日、土地神が代替わりする。そのような事はそうそう起こることはなく、しかも、代わった相手がダメだった。

 土地神は元々、その一帯に結界を貼り、イザナミの祠を守るサポート的立ち位置であったが。


 そうして、戸室綾は新しい土地神が作った裏世界へ行かされることになる。

しにそ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。