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組織的異世界転生〜終末の魔女を救う為、呪われ姫は夢洲に仕掛けをしました〜  作者: たりな
第三章 選定されし候補者たち

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 彼女を宿舎まで送り、別れた夜から三日。

 Hと彼女は、確かに距離を縮めていた。

 そして自然と……二人は付き合い始めた。

 「……じゃあ、その……恋人ってことでいいんですか?」

 彼女が赤くなった顔で言ったとき、Hは思わず笑ってしまった。

 「嫌じゃなければ」

 「嫌じゃないですっ!」

 可愛すぎて、自然と抱きしめていた。


———


 ……それから数日後の休憩時間、彼女はスマホを見て深刻な顔をしていた。

 「どうした?」

 「万博の入場予約……すごく取りにくくなってしまって」

 画面には予約枠の“×”がぎっしり並んでいた。

 「このままだと……Hさんに会える日が減っちゃいそうです」

 「万博で毎日のように会っているけど?」

 「……でも、私、Hさんと会うとき……」

 彼女は少し言い淀む。

 「仕事の合間に会ってるだけじゃなく、ちゃんと……ちゃんと、デートがしたい」

 病気の事があり、彼女はずっと我慢していた。

 自分から「デートしたい」とは言えなかった。

 それを、それでも言った。

 だから迷う理由などなかった。

 「……じゃあ、万博の外でデートしよう。どこか行きたい場所、ある?」

 彼女は驚いた顔をして、次に嬉しそうに俯いた。

 そして意を決したように言った。

 「……あります。ずっと、誰かと行きたいと思っていた場所が」

 「どこ?」

 彼女は胸の前で手をぎゅっと握った。

 「愛知県の……犬山市の、明治村です」

 「明治村?」

 「はい。博物館明治村。昔の建物が保存されていて……お手紙を10年後に届けてくれる郵便局があるんです。ずっと、誰かと一緒に行きたくて……」

 彼女は小さな声で続ける。

「10年後……Hさんとまた一緒にいられたら……嬉しいです」

 彼女がそんな未来を想像してくれたことが、胸が熱くなるほど嬉しかった。

 「行こう。明治村」

 そう言うと、彼女の頬が一瞬で赤く染まった。

 「……本当に?」

 「レンタカー借りて、ドライブしよう。どこか泊まって、一泊して……ゆっくり過ごそう」

 彼女は信じられないというように目を潤ませ、それからふるふると震えながら笑った。

 「……デ……デート……ほんとの……?」

 「本当の。泊まりがけの。二人だけの」

  彼女の耳まで真っ赤になった。

 「よ、よろしくお願いします……!」

 彼女はほっとしたように、そして嬉しそうに笑った。

 それだけで優しいものが胸に満ちていった。

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