10.放課後の遊び
「サラ!」
いるはずのない人の声に、背筋が硬直する。
ララが、しゃぁぁ、と威嚇を始めた。
こちらへ向かってずんずんと歩いてくる父と兄の姿が見えた。
どうして、ここに。
***
1週間ほど経って、すっかり慣れてはいない、けれど、やっと生活が固定してきた。
そんなある日のこと。
「カフェにアイスクリームを食べに行かない?」
コニーに誘われた。
「もちろん!」
アイスクリームはサラにとって贅沢品。
お夕食のあと、家族が食べているのをドアの隙間からちらっと覗いて涎を垂らす。そんな存在。
節約しないといけないのは分かってる。
でも、引越し祝いもまだなのだ。
少しの贅沢くらいは許されるかな。
サラは思った。
雨鹿通りを抜けて公園を突っ切り、少し高級な店がちらほらある区域で立ち止まる。
「まだ着かないの?」
「もうすぐ!」
裏道に入った。
コニーが連れてきたのは、普通に歩いていたら見落とししてしまうような看板が路地裏にあるだけの小さな店だった。
地元っ子のコニーが連れてくるくらいだ。
味はたいへんに良かった。
「外の人は知らない、首都に住んでる人たちだけの秘密のお店。」
珍しくコニーが小洒落たことを言った。
満足した二人はゆるゆると寮へ向けて歩きだす。
事が起こったのは、帰り道だった。
「サラ!」
いるはずのない人の声に、背筋が硬直する。
ララが、しゃぁぁ、と威嚇を始めた。
こちらへ向かってずんずんと歩いてくる父と兄の姿が見えた。
どうして、ここに。
サラの頭は真っ白だった。
登場人物を可哀想な目に遭わせていると激しく痛む良心
X作ってみました
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