救出! だけど……
高い空から真下に代官館が見えた。
「子供達がいるのは、正面坂道の裏側だよ!」
「分かった」
俺は変な所を触らない様にするっていう難しい体勢で二人を抱えつ、慎重に裏側の斜面に降りた。よしよし誰も見てないぞ。
たっしっ
続けてゴブリィとマリも俺の腕から降り立つ。
「急いで!」
「多分この建物の根本の坂のこの辺りに地下室があると思うけど!?」
「わかった、ライトニング……」
「やめてっ!!」
ぺしっ
いつもの様に頭を叩かれる。なんでーっ?
「子供達まで吹っ飛ばす気? 今の貴方なら手で余裕で掘れるからっ」
いきなり手で掘るってカッコ悪いな、でも仕方が無い。俺は無言で掘り進めた。
シャクッシャクッ!
本当だっ、硬い地盤が砂場の砂みたいに簡単に掘れて気持ちいい、病みつきになりそうだっ!
ギャキッジャキッ
やがて代官館の基礎の石組みにぶち当たって、それも簡単に掘れてしまう……出て来た石を運ぶのはめんどくさいが地味な作業を続けた。マリは見てるだけだ!
ガラガラ……
俺はやがて地下室を探る様に慎重に崩し進めると、小石が転がり謎の暗い空間に到達した。
「うっ穴が開いたよ、けど何も見えない」
「お兄さんどいてどいてっ!」
ゴブリィが俺の下から湧いて出る。ゴブリンは夜目が効くのだ。
「ゴブロンいる? ゴブリィだよっ助けに来たから!」
小声で呼び掛けるゴブリィ。どこかで誰かが見張ってるかも知れないしね。
「!! ゴブリィなの? 本当に助けてくれるの??」
すっごく慎重に小声で返事が。どうやらドンピシャで辿り着いた様だ。丘の斜面から数メートルの作業で、常人なら時間掛かって絶対バレてるな。
「皆いるの? だったらバレ無い様に穴から静かに出て来て!」
「う、うん分かった。皆いるから出て行くからっ」
その言葉を合図に次々に穴から15人のゴブリンの子供が出て来る。
「多いな!」
「眩しい……」
「これで全員いるの!?」
「15人全員いまーす!」
なんだか元気そうで良かった。
「じゃ俺がピストン輸送で」
「ダメッ! 全員で斜面を降りてから皆でゴブリィ家まで走って行くわ」
「もし途中で見つかったら銀色のお兄さん戦って!」
「はいはい」
何かまたマリに命令されてるし。
ズザザーー
俺達は慎重にも急いで丘の斜面を降りて行く。
「気を付けてね、転ばないで!」
「落ちたら俺が飛んで受け止めるよ」
「うわわ、何だか草がすべる……」
「慌てないで!」
そうして俺達は丘を降りると、今度はカルガモの親子の様にゴブリィと15人のゴブリンの子供達を連れ、急いでゴブリィ家に向けて走った。
「うわっ人間の村人にすっごい見られてるし!」
「でも何も言って来ない。関わり合いになりたく無いのね」
「でも告げ口されるかも知れない、急ごう!」
スタタッ
俺達は子供達のペースに合わせて急いだ。




