この村の秘密……b
しばらくファンヌは考え込んでしまった。
「……あのね、ゴブリンの男の人達はね、代官さんの命令で戦争に行ってるの! ヨウヘイて言ってた気がする」
「傭兵!?」
俺達は息を飲んだ。
「でもどうして強いゴブリンがあんな代官さんに逆らわないの?」
「うん……代官さんはお仕事が無い冒険者さんを雇っていたりして怖いの。それと……」
「それと?」
「代官さんの家の地下室にはゴブリンの子供達が閉じ込められているの。新しく子供が生まれたら育った子供と交換して、ずっとずっといつも子供がいっぱいいるの」
「だからゴブリン達は逆らえ無いのね?」
「うん」
ヤバイ奴だ。一応聞こう。
「インガリットも知っているの?」
「ウン、グルだよ」
ふーっそうなのか……インガリットも共犯かよ。
「よーし、ならばこの事実を代官に叩き付けてやるぜっ!」
ゴンッ
強めに頭を叩かれる。
「痛い」
「バカね、そんな事したら子供を人質に脅されるでしょ?」
「じゃ、どうするのさ?」
「仮面ナスビィーがいち早く地下から子供を救出なさい、その子達は私がゴブリィ家にこっそり連れて行くわ」
え、マリってただの銀細工師だよね、そんな行動力あるの?
「俺は良いけど、君が途中で見つかったらどうするんだよ?」
「大丈夫よ。ゴブリンは女性でも人間より強いから、子供の人質さえ連れて行けば怖い物は無いわ。とにかく速やかに人質を救出するの」
そんな上手く行くかなあ?
「地下室の場所は分かるの?」
「ゴブリィなら住んでたから分かるはずだよ」
なるほど~。
「じゃあ初変身するかっ! ユリナス全身銀化!!」
シャキシャキ……
俺は仮面を装着するとひさびさに全身銀化した。
「あっ」
目の前でファンヌが指を咥えて見ていた。
「わー髪まで銀色だ……でもヒミツなのね?」
「そう!」
「急ぎましょう。お姫様抱っこでゴブリィ家まで連れて行って!」
「はいはい」
「気を付けてねっ」
「うん! 静かに家に戻っておいて」
俺達は見られてないか外を警戒しつつ、空を飛んでゴブリィ家に戻った。
バンッ
急ぐ俺達はいきなり家に入った。
「ゴブリィ、幽閉されてる子供達の地下室の場所分かる?」
そのマリの言葉で家族全員が意味を理解した。
「そういう事かい……もう決心するかねえ」
「そうだね」
「ゴブリィこの二人を誘導してくれるね?」
「うん!」
家族の承諾を得て、俺達はゴブリィを連れて代官館へ向かった。二人抱えて飛ぶのは少々キツイが……




