表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/695

この村の秘密……


 ー朝食

 俺達はゴブリィ宅で質素な朝食をいただいた。


「ごちそうさま」

「どういたしまして」


「あのさ、ゴブリィ家の皆さんには絶対に悪い様にしないから。それにここだけの秘密だけど、俺本当は物凄く強いんだっ! だから代官家が意地悪して来たら俺に教えてよ」


 シィーン

 完全に信じてない。


「お兄さんが悪い人じゃ無いのは分かってるよ!」

「信じがたいかも知れないけど、この人が強いってのは本当なの、だから安心して下さい」

「わかったよ、もう腹をくくったよ」

「うん!」

「じゃあさっ何で男ゴブリンが居ないの!?」


 シィーン

 やっぱり信用して無いじゃないかっ!!


「無理じいしちゃダメよ。代官家は私達の力で何とかするわ」

「そ、そうかい……」


 結局やっぱり微妙な雰囲気で俺達はゴブリィ家を出た。



「行ってらっしゃ~い」

「うっゴブリィ笑顔で、良い子だなあ」

「そうね、絶対今回で問題を解決しないと、これで帰ったらあの家消されるわ」


「……嫌な事言わないでよ。じゃあ早速変身して代官さん消しちゃう?」

「バカね、それだとユリナスが代官殺人犯になっちゃうでしょ」

「えっそうなの?」


 相手は悪者っぽいのにいいじゃん。


「けど遠いな! こっから人間の区域に戻ってそれから丘登る訳だしね」

「田舎は土地が広いから歩くとなるとしんどいわね」

「代官館に泊まれば良かった?」

「……私が悪いって言いたいの!?」


 ヤ、ヤバッ気にさわった。


「そ、そんな事無いよ! ささっ代官館に行こっ」

「はいはい」



 結局会話も盛り上がらず無言のまま人間区域にまで戻って来た。


 バタンッ ササッ

 相変わらず村人は愛想が無い、というか俺達を見たら消える。


「やあっ村民さんこんにちわっ!」

「やめなさい、ゴブリィ家以上に迷惑を掛けるわ!」


 ふぅ俺が想像していた訪問よりもさらに酷い訪問になったな。

 ちょいちょい

 

「?」


 突然建物の影から小さい手が手招きしている。


「ファンヌちゃん?」


 ついに影から身を乗り出して呼び込み始めた。初日にゴブリィと遊んでいた子だった。


「あれは……ワナだっ!」


 ペシッ

 頭を叩かれる。


「そんな訳無いでしょ! 目立たない様に合流するわよ」


 マリに腕を引かれて俺は建物の影に吸い込まれて行った。



「シーッ大きな声出しちゃダメよ!」

「うんうん出さないよ」


 俺達は建物の影のさらに物置の中に入った。


「ここでいつも遊んでいるの!」

「うん、そうなんだ」

「ゴブリィ大丈夫だった?」


 彼女はゴブリィを心配してたのか、優しい子だ。



「大丈夫だよ、昨日は泊めてもらったの」

「え? 大丈夫かな、そんな事して」


 可哀そうに俺のせいで彼女の顔は曇ってしまう。もう仕方が無い、俺は担当直入に聞いた。


「あのさファンヌちゃん、この村変だよね? 代官さんは何か悪い事しているの? それとゴブリンの男性はどこに居るのかな? ごめんね質問ぜめで」


「言いたく無かったら良いのよ。貴方は守るから」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ