ゴブリィ家、真の夕食b
「安心して。貴方達に害がおよぶ様には決してしないから」
「じゃあまさか、この夕食も準備されたもの?」
コクッ
ゴブリィがうなづいた。
「じゃあこの豪華な食事は保存出来る物は保存して、保存出来ない物はご近所に分けて上げて欲しいの」
「じゃあアンタ達はどうするんだい?」
ようやくお婆さんが口を開く。
「皆さんが普段食べてる物を下さればありがたいわ」
「……それで良いんだね?」
しばらくして固いパンに干し肉が少量の質素な夕食が出て来た。
「これが普段の食事だよ」
うっこれ何の肉だろう。状況が状況だけに断れないよっ。
「じゃあ、皆で食べるかい?」
「うん、そうするよ」
「わーい」
ゴブ母の言葉で気を取り直し質素な夕食は始まった。
「ゴブリィが初めて新領主様に会ったんだよー」
「そうなのかい? 失礼は無かったでしょうか」
「いえいえ、話し掛けてくれて助かったんですよ」
「皆無視するし」
シィーン
「ここって何か変わってますよね?」
「人間の住民は愛想が悪いし、第一男性のゴブリンが一人もいないわ、どうして?」
シィーン
やっぱり興味が尽きない俺とマリのせいで、明るくなりかけた食卓は再び静まり返った。そのまま気まずい雰囲気のまま夕食は終わった……ってオイオイ、マリのせいだ―っ!
「部屋は残り一つしか無いから、領主さま奥方と一緒の部屋で良いですかね?」
また奥方言われたマリ。部屋一つしか無いってさ。
「もちろんそれで充分です。一夜の宿を有難う御座います」
え、良いんだ??
「では、おやすみなさいよ」
「はい……」
バタム
ドアは閉められ緊張の一瞬がってそんな状況でも無いか。
「分かっているわね?」
「はいはい、俺は床で寝るよ」
「床で寝なくてもいいわよ。だけどギリギリ端っこで寝てよね」
「はいはい、落ちるギリギリで寝まーす!」
最初に女の子と一緒のベッドで寝るのは、もっとロマンチックな方が良かったよ!
「おやすみ」
「おやすみなさい」
ー早朝
コンコン
「あぁ~い?」
「ゴブリィ?」
「インガリットですわ、お迎えに上がりました」
はやっ! しかもインガリット自ら迎えに来た!? とにかく俺達を村民と触れ合えさせたく無いんだな。
「……まだまだ代官館には行けませんから、貴方お一人で帰って下さいな」
「でも父にお迎えに上がる様に言われてて」
「良いからもう帰ってくれよ! 俺達着替え一つでも大変なんだよ」
「そうです、一人が部屋から出ないと着替えが出来ないのよ、半裸のユリナスをお見せしましょうか?」
カーッ
インガリットは顔を真っ赤にしていた。
「俺達村人とスキンシップしながら、歩いて館に戻るよ!」
「わかりましたわっ仲がよろしい事ですわね。では」
何言ってんだ? とにかくインガリットは去ってくれた。でも俺達が同じ部屋で寝てた事は壮絶に勘違いされたんだろうなっ。




