■134■ 変貌の故郷……b 胸騒ぎ
実はフォクスサーラ王国の大きな山を挟んで南にあるのがパールリザードリアなんだ。
「どうするのじゃ、爆撃するのじゃ?」
「いや……先に故郷に帰るよ。それで攻めて来たら取って返してエリッカを迎撃する」
「つくづく慎重なヤツなのだ」
「本当に故郷に攻めて来るかどうかわかりませんもの、和議中だし先制攻撃は出来ませんよね!」
「わ、わらわもユリナスと同じ考えであったわ!」
「うんうん」
という訳で、俺達は先回りして故郷に先行した。
ーパールリザードリア
しゅたっ
あっさりと着いてしまい、着地する……が。
ヒュ~~ころころ
村の中は閑散としており活気が無くタンブルウィードが転がって行く……
「人けが無いなあ、なんだかゴーストタウンみたいなのだ」
「廃墟かぇ?」
「縁起でもない事言わないでっ地方の村は普通こんなものなのっ」
銀竜村も同じような物でしょ? いや、確かにちょっと寂れてるかな。
「お前っユリ男か!?」
「げげっナスビじゃないか、生きてたのかよっ」
次の瞬間、建物の角から恐ろしい偶然で幼馴染とばったり出くわした。まあ人口少ないから。
「お、お前ら……」
ある意味懐かしい気すらする。
「第一村人なのだっ」
「コヤツらがナスビとかユリ男とか呼んでた奴らなのかぇさっそく殺るのじゃな?」
「ヤらないヤらない」
「ひどいからかいです……許せない」
「え、俺からかわれてたの!?」
しかし連中は子供時代と違ってなんだか目に生気が無いな。俺達の会話すら虚ろな目で聞いて無い。
「何だよお前、女三人も連れてゼゲンやってるのかよ?」
「まったくお前らしいジョブだな」
「ゼゲン?」
「何も知らないのだな、ゼゲンとはクヌアーみたいな人買いの事だぞ」ボソッ
ファニーが耳打ちする。うはっこの俺が奴隷商に見えるの? でもまだ彼女を根に持ってるのかな。
「彼女達はそんなんじゃないよっ!」
「何をごちゃごちゃ言ってるんだ、お前も村に帰って来た以上はオーク様に献上するんだろ?」
「オーク様?」
「ああっそうさ、村が人買いのオーク様に支配を受けてからは、家族を差し出すか金を払うかどちらか」
「その為にみんな金策に走るか逃げ出すか……それで寂れきっているのさ」
「でも逃げ出すのも難しくなって来た……いや、こんな話オーク様に聞かれちゃマズイな」
スタタッ
再会したばかりなのに昔話をするでも無く、奴らはアッサリと走って行った。なんだやっぱり寂れてたのか~。
「妙な事言うておったのじゃ!」
「オークとやらを見てみたいぞっ」
「ユリナス様、ご両親はご無事なのでしょうか?」
「そうだっ俺猛烈に親父とお袋の事が心配になって来た!!」
俺は胸騒ぎがして無意識に走り出した。




