変貌の故郷……a
「なあソラ、お前は知能も低く普段はぼ~っと蝶々を追い掛けているだけかも知らないけど、もしビスマスとマリの秘密を見てしまっている場合は、絶対に師匠に言わないで欲しいんだっ頼むっ!」
ブチッ
ーユリナスの失礼な言葉にソラはキレたので御座います。
「キュキュッ?」(お前ケンカ売ってるのかーっ)
「カピッ」(まあそう言わずに聞いておいてやれ)
「きゅーっ」(まあ人間の事はどうでもいいや)
ぷいっ
ソラは目を閉じて横を向いた。
「そうか分かってくれたかアハハ」
俺はソラの頭をわしゃわしゃした。
「何をごちゃごちゃ言うておるのじゃ?」
「な、何でも無いよっという訳で……今度は俺の故郷に行く事情だけど」
俺の故郷パールリザードリアに向けて、これまた俺にインネンがあるエリッカが兵三千を引き連れて向かっている事を伝えた。
「という訳なんだ」
「何を深刻な顔をしておるのじゃ? つまらぬ事を気にしておるのぅ」
「その通りだ! 昔のユリナスより今のユリナスなのだっ」
「その通りですよっいくら昔のユリナス様がミジメでだらしなくてダメな男だとしても、そんな事ぜんぜん気にしてませんよっ!」
ヒイラギちゃん? ちょいちょいこの子シンラツな事言い出すけどわざとなのかな。
「俺そこまでは言ってないけど。ただ故郷に帰るのってなんかヤダナ~って程度」
「あ、ああっすいません! てっきりユリナスさま最底辺のFランク回復師の事をコンプレックスにされてるとばかり」
「また言うておるのじゃ」
「す、すいませんっ」
ヒイラギちゃんはひたすら謝り続けた。
「もういいよっじゃあ行くぞっ!」
「待つのだっ」
ドテッ
俺はコケた。
「また何だよ?」
「今回はその隠密がソラに乗るのだっ第二フィアンセのわらわがユリナスにお姫様だっこされる番なのだっ」
「何を言うのじゃ、ワシがお姫様抱っこで二人がソラに乗れば良いのじゃっ」
「だーっ出発だけでどれだけかかるの!? 今日はヒイラギちゃんごめん、ファニーを久々にお姫様抱っこにするよ」
「わははは、これがフィアンセの、聖女の力なのだ」
たっし
銀化する前に勢い良く彼女は倒れ、俺はあわてて支えた。おもっ落としたらどうするのさ?
「ユリナス銀化今度こそ行くぞっ!」
シュバーッ
俺達と一頭と一匹は空に舞い上がった。
シュバーッ ばっさ~~
ーしかし長距離だと疲れが出て来るのか、ファニーもヒイラギとカピと共にソラに乗ったので御座います。
「こっちの方がラクチンなのだっ!」
「動かないで下さい落ちます!」
「カピ~」(俺は美女二人に挟まれて極楽だぜ)
「ユリナス見るのじゃ、あれが三千の兵であろう」
「師匠本当だ、結構遅いな」
エリッカ達はエーデルワイスさんの報告通り、今ゼブランドの南国境を抜け、ちょうど東アルパカ王国の南の関所の下をかすめ西に進んでいる。そのまま南部諸族がいる大きな平野をひらすら山沿いに西に進むと、俺の故郷パールリザードリアに着く。




