師匠は渡さない!
「ワシが答えよう。実はワシが元々持っておった領地を、弟子のユリナスに与えようと思っておるのじゃ!」
皆すぐに納得という顔になった。
「あ~~」
「それで納得したよ。一瞬何故最弱のユリナスが領地をって混乱してしまった。超高度な蘇生魔法を軽々と連発する貴方程の美しい御方なら領地を持っておられても不自然じゃ無い」
「もしかしてお尻けった事まだ根に持ってる?」
「美しいって関係ある?」
「やっぱりユリナス、フィアンセだから土地をもらうの?」
「ち、違うよレミラン、これには深い訳がっ」
「違わんのじゃ!」
「だーっもうその話は一旦禁止よ」
大丈夫な範囲で軽く事情を話してみた。
「つまり欲の無い清貧なお師匠様の土地は、荒れ放題で借金まで抱えておられるのですね?」
「いかにも、そんなかんじじゃ!」
「では失礼ながら、我が王国は友人のユリナスには実り豊かな領地を進呈しましょう!」
「え、そんな領地って二つも持ってて良いの?」
俺は彼の大盤振る舞いに戸惑う。ちょろい王子だな……
「昔から別々の王国に領地を持ってたり、中には複数の国で宰相にまでなった賢者なんかもいるのよ!」
「マリ詳しいね」
「当然の知識よ。まあけど貴方は賢者には程遠いけどね」
「その通りだマリさん! わはははは」
何かあれだけ褒めてたくせに、今度は急~にケナシ始めたな。友達になったから?
「あの……師匠?」
俺は恐々師匠の顔を見た。
「丁度良い、蘇生の代金とでも思いもらっておけ。でないとホイホイ生き返れる物と思われてもかなわんのじゃ」
確かに……それ程の重みのある事だ。
「ではお言葉に甘えて頂いておきます……」
「よし、早速今夜にでも僕の部屋横に潜んでるじぃに国に遣いを出す様に命じよう!」
じぃってそんなのまで居るの?
「は、はぁ慌てなくていいし!」
「もし領地が確定したあかつきには、お師匠さま共々遊びに来て下さいますね!?」
それが狙いかっ!
「ムーーッアルフレッド、さっきから師匠さんばっかり!」
シャリィがまた頬を膨らませる。なんだか俺より師匠目的になってる?
「あ、あははは、そんな事ないよ。所で師匠様のお名前は?」
俺はコケた。全力でコイツから師匠を守らないと。
「我が名か? 我が名はリリーじゃ。リリー様と呼ぶが良いのじゃ!」
「リリー様……素敵過ぎる」
何か褒めちぎられてる内に師匠まで心を開いて来た様な!? 絶対俺の師匠はやらんからなっ!




