入れ違いに……
「じゃあな、今夜はもう高級ホテルの部屋に入るよ! リリー様がいる限り俺達の友情は永遠だからなっ領地の確定を期待して待っててくれ。ではリリー様またの日に!」
「おい」 「オイ」
遂に本心を隠さなくなった正直な男アルフレッドに、俺とシャリィが同時に突っ込みレミランは苦笑いしている。
当の師匠は腕を組んで薄笑い浮かべ、満足気なのかバカにしてるのかいまいち分からないよ。俺は相手が第三王子だとしても全く気後れする気は無いからな! 今まで以上にビシバシ言ってやるっ。
「ユリナス……おやすみっ!」
「うんレミランもね」
にこっと笑う彼女が可愛い。
「何だか可愛いらしい子ね~~」
「嫉妬?」
「何でよっ!?」
俺達は3人を見送りながら何故か言い合いになる。
タッタッタッ
ホテルに向かう3人の影が小さくなった頃、入れ違いにマントを被った怪しい人影が近づいて来る。
「何か来るわよ?」
「盗賊かっ!?」
「一人で走って来るし、あんな小さな盗賊なんていないわよっ」
確かに銀化して警戒するまでも無い……
「おーい、フィアンセが来てやったぞっ!」
シュバッ!
彼女は薄暗いとは言えまだ人通りのある路上で走りながらマントを脱ぎ捨てた。言うまでも無くこのカピパラライン王国のエディファニー王女だった。
「ファニー早く入って!」
俺は彼女の腕を引っ張り店内に連れ込む。
「こらこら、寂しかったとは言え強引過ぎるぞ」
「え、ええまあね」
「どうしたのだ?」
彼女は出会った頃は新鮮だったが、性格が勝手だったり借金押し付けられたりして俺の中で少しポイントが低下していた。まあかなりな美少女に贅沢な話か?
ー店内
「喜べっ悪い話と良い話があるぞっ」
「えー悪い話もあるんだ?」
「ワシはこの女は苦手じゃ、追い返せっ」
「ダメだよそんな事言っちゃ」
うっ師匠と俺がシンクロしていた。
「って悪い話って何なのよ?」
マリは興味ある様子だ。
「うむ、ソナタが文句ばかり言っていると伝えたら、父上が騎士叙任式はまだまだ開かん未定だっとヘソを曲げてしまったぞ……」
「そ、そう」
今となっては騎士なんてどうでも良くなって来た訳で……
「だが喜べっシルバー・リリー村周辺の領地が与えられる事は決定したぞっこれが領主の証書だぞっ! これを持って代官に会いに行くが良い、領主気分が味わえるぞよ」
領主気分って偽物みたいな言い方だな! でも……正直言って騎士叙任が遠のいたのなら、借金ある領地も要らないよ。




