赤鉄竜知ってる?
「そうじゃな、マリが五千エピ銀貨のひな型を作り、ワシとユリナスが銀化していけば直ぐに借金なぞ返済出来るではないかっ!」
「そりゃそうだけど、どえらい枚数必要だな」
「だから貴方達止めなさいって、王女様の前で偽金作りなんて相談しなさんなよ」
マリが必死に制止するが、それをファニーがさらにさえぎった。
「それは良い考えだな! 五千エピ銀貨なぞまどろっこしい事などせずに、わらわが王国認可の刻印を盗んで来るから、それで純銀のインゴットをぽこぽこ量産すれば良いぞ! それならば偽金ではあるまい?」
マリはコケた。
「王女がそんな事しちゃダメ! 銀の価格が一気に値崩れしちゃうわっ。あれは鉱山から苦労して掘り出すから価値があるのよ。ぽこぽこ紙粘土みたいに量産しちゃダメ」
「そんな物かのう?」
「ケチじゃなあこの女」
「じゃ、やっぱりトンズラの方向で」
話が堂々巡りした所でファニーが真顔になった。
「わらわを救出した騎士がいきなりトンズラしたら、わらわが恥をかくのだっ! 国庫からの借金は今すぐ返済を急かす訳では無いから、それは一旦忘れてこの国におれ! 頼むぞ」
えーっ俺の事が好きだからこの国に居て欲しいって訳じゃないの? まあ……そりゃそうか。
「まあいいよ、俺と師匠が居ればどんな借金でも踏み倒す事は可能だから、いざとなれば俺はちゅうちょ無く飛ぶからね」
ビシィッ!!
指を天井に向けてやった。
「どんなカッコ悪い決意よ。そんな事胸張って言わないでよ。で、お城に部屋をもらえるのよね?」
マリが呆れ気味にファニーに聞いた。
「いや、城にはユリナスの部屋は無いぞ。この館で住んでくれ!」
俺は軽くコケた。お城に部屋くらい用意してよ……なんかだんだんファニーの事が信用出来なくなって来た。やっぱもともと住む世界が違うんだろうなあ。
「じゃあ結局、私の弟子になってアクセ作りの修行してコツコツ借金返すしか無いのよねえ? 何百年かかるか分からないけど」
マリは半笑いで言ってて絶対バカにしてるだろ。けど館に住む事は許してくれたって事?
「ありがたく銀細工の弟子にはなるけど、冒険者としてクエストも受けるよ。それに俺の領地とやらがどうなってるかも見にも行きたいし」
「あらあら大変ねえ領主サマ」
またバカにして。でも結局クエストかあ……でも俺Fランク回復師だから、高賞金ランククエスト受けれないし。下からコツコツランク上げないと……とほほ。
「そうだ師匠【赤鉄竜、レッド・ローズ・ドラゴン】って知ってる? 知り合い?? 凄い賞金のクエストなんだ」
師匠の顔付きが変わった。
「何ぃっ【赤鉄竜、レッド・ローズ・ドラゴン】だと!?」
「ごくり、師匠何か知っているの?」
俺は唾を飲んだ。
「………………そんなヤツは知らん」
ドタッ
皆一斉にコケた。師匠やっぱりボケてるんかな。




