飛ぶよ(違う意味で)
ズーーーン
7000万エピってあと3000万足したら遂に一億エピだよな。いつか一億エピに出会いたいと思っていたけど、こんな形で会いたく無かったよ。
ズズーーン
「見るからに落ち込んでるわね、顔に出てるわよ」
「落ち込むな。オヌシが悲しいとワシも悲しいのじゃ」
ありがとう師匠……俺には強い師匠と飛ぶだけの力があった。そうだっ飛ぶぞっ俺は違う意味で飛ぶっ!!
「ファニー君と出会えてお城にも行けて面白かったよ。マリ、一夜の宿を貸してくれてありがとう。お風呂も温かったし……」
「ユリナスどうしたのじゃ?」
師匠が俺の只ならぬ様子に心配顔だ。こんなに優しかったっけ?
「貴方妙な事考えてるんじゃ無いでしょうね?」
「まさかどうしたのだ?」
ううっ3人の女の子に心配されて幸せだよ。
「俺、7000万エピも借金返す能力無いからさ、飛ぶよ!」
「飛ぶ!?」
「どういう意味じゃ?」
「貴方それって」
マリだけがピーンと来た顔をする。
「うん借金払いたく無いから、騎士叙任式までに国外の実家にトンズラするよ!!」
ドタッ
師匠とファニーが綺麗に同時にコケた。
「アホーッ! まだ正式では無いがソナタは我がフィアンセなのだぞ、国庫からの借金なぞいくらでも踏み倒せば良い!」
ほらほら、正式では無いとか言い出した。やっぱお姫様の気まぐれだよな。だんだんフィアンセなんてウヤムヤになって行って、莫大な借金だけが残りそう。
「いやいや、騎士が借金踏み倒すなんてカッコ悪いでしょ!」
「いきなりトンズラするのもカッコ悪いでしょ!」
「そうじゃ、ワシがドラゴン形態になって城に攻め込んで国自体滅ぼそうか? ならば借金も帳消しじゃ」
だんだん話がヤバイ方向になって来た。
「そんなのダメでしょ! やっぱり何事も無かった様に叙任式前にこっそりこの国を出て実家に帰るよ」
「ワシは?」
「もちろん一緒に来て。でも多分親父も母さんも師匠の事をちょっと年上の美人のお嫁さんを連れて来たと勘違いして大喜びしちゃうかも知れないけど、悪いけどしばらく話を合わせて欲しいんだ……」
「お、おおおヨメさん? はぅわっ!! し、心臓がぐるじぃ……」
「師匠大丈夫!? 身体をいたわってよ年なんだからさ」
なでなで
俺は必死に肩や背中を撫でた。
「貴方それワザとやってるでしょ? ていうか忘れてない、貴方達【銀化】とやらで無限に純銀を生み出せるんでしょ? でもそれはダメだけど、それに強いんでしょ。クエストでも何でも受けて返済しなさいよ」
でも~何で縁もゆかりも無い借金を返済しなきゃいけないんだよ。王様も意地悪だなあ。




