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異世界転生よりタチが悪い! 〜2025年までに一億円稼がないと、俺は5年前の絶望に強制送還される〜  作者: 彗 暦


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8 監視者の指定物件

西暦2021年夏。


純資産5,400万円。一億円の半分を超えた達成感と、監視者の正体に対する得体の知れない恐怖。俺、三上 悟は、最後の警告を頭の中で反芻していた。


『次が最後の稼ぎです。2023年、あなたをターゲットにした大きな金融スキャンダルが起こります。』

『逃げ道は一つ。最終ターゲットは、不動産。ただし、指定の地域で。』


株、仮想通貨、NFTと、すべてデジタルな世界で完結させてきた俺にとって、「不動産」は最も縁遠い世界だ。大きなローン、複雑な法規、そしてすぐに現金化できない流動性の低さ。一度目の人生では、怖くて手が出せなかった。


だが、このミッションをクリアするためには、この監視者の指示に従うしかない。俺の記憶にはない「2023年のスキャンダル」を回避し、残る4,500万円を確実に稼がなければならない。


俺は監視者のメッセージに書かれていた「指定の地域」——東京都心から電車で1時間ほどの、当時注目されていなかった某沿線駅の周辺の情報を集め始めた。


「この地域、未来の記憶でも特に何もなかったはずだが……」


俺の知る未来では、その地域は特に再開発もなく、地価も横ばいだった。しかし、監視者が指定したということは、この未来では何か大きな変化が起こるということだ。


数ヶ月にわたり、俺はその地域にある築古のアパートやマンションに絞り、徹底的に物件を探した。


そして、運命的な物件を見つけた。


駅から徒歩10分。築30年以上の小さなアパート。しかし、広大な土地に建っている割には、破格の値段が付けられていた。


仲介業者に話を聞くと、所有者が高齢で管理に困り、手放しを急いでいるとのこと。だが、売却理由を説明する業者の顔には、どこか不自然な焦りが見て取れた。


「三上さん、この物件、立地はいいんですが、修繕費がかなりかかりますよ。この価格でも、ローンを組むのは……」


「問題ありません。現金で購入します」


俺がそう告げると、仲介業者は驚愕に目を見開き、そして、安堵の表情を見せた。


俺は現金5,000万円を支払い、このアパートを手に入れた。残りの資金はわずか412万円。


「これで、ほぼ全財産を『指定物件』に変えた。引き返す道はない」


俺がこの物件を購入した直後の夜、PCの画面に再び監視者のメッセージが表示された。


『最終ステップへようこそ。悟くん。』

『このアパートの周辺地域は、2022年末に政府の特定再開発地区に指定されます。あなたの未来の記憶にはない、新しい未来です。』


俺は思わず息を飲んだ。政府による再開発。それが実現すれば、この築古アパートの土地の価格は、数倍に跳ね上がる。その情報を知る者が、俺にこの物件を確実に買わせるために、時間をかけて誘導していたのだ。


『その計画は、私たちが作りました。そして、あなたを2023年のスキャンダルから守るための、唯一の逃げ道です。』


メッセージはここで途切れた。そして、画面に新しいカウントダウンが表示された。


『土地評価額上昇まで:残り1年4ヶ月』


監視者は、俺のミッションをクリアさせるためのチートを完全にコントロールし、改変された未来の「答え」を教えてくれていた。だが、その協力の裏には、必ず何か大きな目的があるはずだ。


「……何が目的なんだ、監視者」


ミッションクリアまで、あと4500万円。この不動産が跳ね上がれば、一気に目標達成だ。だが、その瞬間に、この「死に戻り」の真相が、そして監視者の真の目的が明かされるのだろう。

目標金額100,000,000円

現在資産4,120,550円資産のほとんどを不動産(5000万円)へ転換。

残りの時間1,250日2021年8月時点

稼ぐべき金額95,879,450円目標まで、残り約9588万円!





(注:不動産は時価評価額に算入されていないため、資産計上額が一時的に減っています。時価評価額が上昇すれば一気に目標達成となります。)

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