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TSモブ荷物係は勇者にだけは近づかない。  作者: 無限飛行


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第36話 神聖歴767年2

「だあ!」

「さて、いよいよ理由がわからんな」



ヤシの実似の樹の実を触っていたらバカッで開いてしまった。

ここまでは良しとしようか?



「とにかくここは異世界でターザンと金太?桃太郎?の混ざった世界だったとか」

「うだっ!」

「…………………」



ぼくちゃんメチャクチャ元気。

うん、ちっちゃいちんちん可愛いとか母性がやべぇ。

異世界TS転生で女になって驚いていたら秒で子持ちになってたとか笑えない。

シングルマザーまっしぐら。

うん、全く笑えないわ。


と、自身の姿を泉に見る。

背丈は前世の小学生並みか。

背丈が最初に気になるとか前世のコンプレックス持ち込んでどうするよ。

見た目もあどけなさが残る子供。

外人って普通日本人よりオトナびるものだけど何か北欧とモンゴリアンの良いとこ取りしたみたいにな顔立ちは明らかに将来は美人さん。

その美少女が赤ちゃん抱いてる背徳感は限りなくやべぇし神々しいとも云える二面性。

更にそれが自身を表す言葉だと理解するとその複雑さは否めない。

つまり目の前のボクの姿は紛れもなく高嶺の花のチャイルドモデル上位でファン殺到の完全無欠な美少女だったというオチというわけ。

最悪だ。



「今のボク、どう見ても小学生高学年くらいだよな?それはいいとしてあまりに綺麗過ぎないか?」



日焼けもホクロもない白い肌は生物学から相反するように綺麗でまるで人工物を思わせる。

目は金色……驚いた、金色の瞳だ?

へ〜現実ではこんな感じになるんだわ。

そして髪色は緑……いやキラキラしてるからエメラルドグリーンか。

やべぇ髪色してんな。

ただこの世界の住民が全員同じならそれは普通という事になるが……。



「うだっ!」

「おう、うだっ」

「うだーうだーうだ、うだー」

「うだーうだーうだ、やだやだやーだ」

「やーだやだうだ、やーだうだ」

「うだっ」

「うだーっ!」



うさモモンガ語(赤ちゃん言葉)話してる場合か。

そんでこの子の髪はまだ薄毛だけど金髪で瞳の色はマリンブルーな碧眼でした。

ぼくちゃんも将来イケメン確定良かった良かったではい終了ーっ!


つまりボクの髪色は一般的とは限らないわけで目立つイコール危険となる可能性を秘めているとか笑えない。

まして文明が発展途上の世界であれば儚そうな美少女は狙って下さいと看板だして歩くようなものだ。

何らかの偽装は急務だろう。


はたっと泉を見てウインクして見る。

ほえ〜っ………。

いかんいかんいかん。

ナルシストになる前にしっかりとせねば。

と、赤ちゃんが目をパチパチ。

ああ、ボクのマネみたいだけとぼくちゃんウインクのマネまだ早いよ。

無理無理だから。

そこで目をパチパチしながの赤ちゃん必殺天使な笑顔。


ズキューン。

何この可愛い生き物。

ぼくちゃん、あんまり可愛い素振りは止めてね。

でないとおじ、お姉ちゃん溶けちゃうからね。

心臓止まっちゃうの。

心臓止まったら死んじゃうんだよ。

だから笑顔止め……アカン、完全にこの子の虜や。

もう全てが手遅れなんだわ。



「はあ、落ち着こう」

「だあ」

「よしよしお前ホントに可愛いね。でももうお姉ちゃん落ち着いたから大丈夫だからね」

「うだあ」

「うっ、駄目だ、落ち着い、ても可愛いくってマジ死にそう」



ゼーハーゼーハーゼーハーッ


この子の笑顔は麻薬か?!

とんでもない破壊力だ。

しかもピンポイントでこっちに笑顔を向けてくるんだがまさか意図的じゃないよね?

見かけは2歳くらいだからそろそろ自我が発達する頃。

あくまで地球の場合の話だけど。



「うだ!」ニコッ

「……………」



うう、キュート過ぎだろ。

こんなん勝てる理由もないわ。

とはいえこの子は一体何者なんだ?

ホントに桃太郎だったら不味いよ。

だって桃太郎は鬼退治にいくんだからな。

しかし子の親として考えてみればあの物語は変だ。

いくら成長したとして幼子一人を凶悪な鬼の島に向かわすか?

あのお爺さんお婆さんってあり得ないんだが。

桃太郎が鬼退治に出かけたあとほくそ笑む二人…………。

夢壊れるわ!

ボクはなんてこと考えてんだ。

もう忘れよう。



「まあ昔ばなしの現実離れは当然としてこの子に名前を付けないとな」



安直にヤシ太郎……は虐められるな。

そもそも金髪碧眼の桃太郎って既に物語から逸脱してないか?

あー?赤ちゃんの着てる貫頭衣みたいなやつ、何か名前みたいなのが書いてないか?

ってこれか?!


赤ちゃんの入ってたヤシの実の中にヤシの実材で出来た哺乳びん。

中々現代的だな?

って中身も入ってるしこりゃまるでヤシの実の揺り籠だ。

それで赤ちゃんの貫頭衣に文字。

読んで見ると…………。



「カズキってカタカナ読み……やはりここは日本の物語、じゃなくカズキぃ???」



待てぃ。

何で日本語、何でカタカナ、何でカズキだ?

日本語でカタカナは譲ってもカズキはないだろう。

それはボクの名前でありカタカナ読みだからだ。

この偶然をどう判断すればいい?



「偶然の一致にしては出来すぎだ。まるでクソったれな神様の仕業か」



前世の両親の死以来どうにも狭量な神様の事が頭から離れないボク。

最近のラノベでも神様は敵役に回る場合が多かった。

もしかしてこの転生も含め狭量な神様に図られたって事はないよね?



「もう神様じゃなく某ラノベにならって存在Zとか?」

「たあ!」

「あははは、あ?くすぐったい!?あははは、ははは?は??何??」



へ?!

赤ちゃんがボクの胸元弄ってる??

ええっ?!



「ちょ、もしかしてお腹空いてる?」

「たああ」ゴソゴソゴソッ

「ま、待って?いやややーっ!!」

「たあ!」




カプッ




「η∇∪Αο∇∇€ξ✹∃ほひょうひょう――――――――――――!?」


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