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TSモブ荷物係は勇者にだけは近づかない。  作者: 無限飛行


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第35話 神聖歴767年

ん、んん?

何だ、光が見える???


あーそっか。

ボクは助かったのか。

だけどあの衝撃と瞬間の痛みは尋常じゃなかった。

十トン級のトラックだったと思うけど運転手の驚く顔が間近だったからいや我ながらよく命があったのだと思う。

運転手さんも交通死亡事故にならずに済んで良かったんじゃないか。

ただ後遺症が心配だからちゃんと任意保険は使ってよね。


とはいえボクの人生ピリオドかと思ったけど助かったのは幸いだ。

今更だが神様が助けてくれた?

いやボクは神様に助けられるのだけはゴメンだな。

じゃあ悪魔が助けてくれた事にしよう。

悪魔様ありがとうごぜーマスだ。

よしよし良きに計らえって言ってそう。


で、ここは何処の病院だ?

眩しいんだけど何か外にいるみたいだし下半身が冷たいんだが??











ザーザーザーザーザーザーザーッ



ちゃぷっちゃぷっちゃぷっ


「?!」



何処だここ?

木漏れ日がキラキラしていて緑がいっぱいファンタジー??

辺りは森みたいに見えるけど向こうは激しく流れる川でコッチは支流の泉って感じか。

で、さっきからのちゃぷっちゃぷ音は何?って下を見たら水に浸かってましたというオチ。

へー……………………?


はいぃ?!

下半身が水に浸かっているるぅ??

え?ええっ???



「何じゃこりゃーあーああ???」



いやいや今下半身水浸かり問題を驚いていたら近くで可愛い声が!?

このソプラノ誰の声よ?

近くに若い女の子がいんの??

んん???

ん??????

ま、まてまてまてよ待ってくれよ亀さん!

今の言葉はボクが喋ったんだよな?

誰かがボクの言葉に声を重ねた??

いや器用過ぎるでしょそんなの。



「あ」ヒュッ



ボクは声を発しようとして思わず口を手で塞いだ。

そしてそーと口から手を離した。

おかしい。

今の《あ》は間違いなくボクが発しようと思い口開けて確かに出した声だったはず。

だけど明らかにそれは女性キャラのアニメ声で先程の何者かの声に違いない。

どゆこと??


あ、そうか。

これはアレだ。

変声用ガスっていうパーティ用のジョークグッズだよ。

確か吸い込むと一定期間声が変わるっていう…………。


まあ、それは無理があるな。

流れ的に病院だったら間違いで吸い込み事故とかありそうだけど辺りは見知らぬ森の中で半身浴中とかわけわからんわ。



「まさかね」



と、水に映る姿見れば見た事もない髪色の北欧系白人少女の姿。

うん、心拍数上昇中。

間近過ぎで女性恐怖症の再燃か。

いやこれはもっと深刻な事態かも知れない。



「は〜ちょっと落ち着こうか」

サバーッ


とにかく水から上がったボク。

バグバグと鳴る心臓はボクが過度な緊張状態にある事を示すわけ。

取り敢えず現状把握しよう。

まず自分のこれまでを振り返る。


子供を抱いた親友をトラック前から押し出した、はず。

瞳見開いた親友の顔を思い出し、ん、何かスマンと謝りたくなる。

ここまではいい。


いや良くはないが流れを振り返る過程としては合っている。

問題はこの後だ。

目覚めると自分は半身浴中で辺りは森の中だった。

現実離れしてるがまあコレも受け入れよう。


声が高くソプラノのアニメ声。

原因は変声ガス……要考察、か?

そして水に映る自身の姿が北欧系美少女……………。

フェイク映像と水中モニター…………な、わけないよなぁ。



「所謂ラノベ事案か。だよな、これはそれしか考えらんないよな?!」



あー納得出来ない自分を納得させたくて自分で声に出して言ってみる。

うん、間違いなくボクの発声だ。

呼吸もタイミングも寸分もない。

とはいえ……。



「サファリジャケットに半ズボンとかここはもしかしてアフリカか?」



ラノベ事案で異世界かと思ったけど自身の服装が知っているものだったのは少し安心した。

だけどサファリジャケットが一般的な場所はアフリカしか思い当たらない。

しかも古風なタイプだから年代が古い?



「まさかラノベじゃなくでターザンの世界とか?え、ボクはジェーンなの??」



いやいやそれはマジ困る。

だってジェーンはターザンの奥さんだ。

ボクに男の伴侶になる準備はないよ。 



「うーん、困った。どちらにせよここから移動しないと駄目だよなぁ」



多分森を抜けたら言葉を発する白ライオンが現れ『道に迷ったのか。日本に帰りたいのだろう?全日空チケットは買ってある。恩はマイルポイントで返してくれればいい』とか言ってくれたりする。

たがスマン。

ボクはマイルポイント貯まるほど飛行機使ってないから返せない……なんて現実逃避はもう無理か。


で、恐る恐る身体チェック。

半ズボンの中……無いな。

エッチな気持ちは殆ど沸かない。

やはりアレは息子連動衝動だから息子いないいないバァで賢者タイム同等か仙人だったりする。

仙人って何だ??

ついでに上も無くてガッカリ。

何でガッカリしたんボク?

色々気持ちがぐちゃぐちゃだが一つ分かった事がある。


このサファリジャケット、背中と下腹あたりが破れてたんだ。

ああついでのヘソ確認でカエル種族でない事の確認。

なにしろ下半身水に浸かってたから水系ファンタジー種族かと思ったのだが少なくとも卵生は回避か。

取り敢えずジャケットを絞りながら水出し煎茶でギュっと結べば見事なヘソ出しルックの出来上がり。

ちょっと恥ずいが上々だと思う。


見回したら何とピスヘルメットまで浮かんでた。

完全に探検家じゃね?

あと訳わからん樹の実。

ヤシの実?似だが倍以上の大きさ。

どんぶらこどんぶらこ浮かんでた。


………………川に洗濯に、か?


ま、さ、かね。


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