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それでもメイド長に助けられた

空気を読めない奴はいる。

 泣き腫らした目を濡れた布で冷やす二人はこれで大人しくなると思いきや、女の態度は変わらなかった。

 一貫して説明を求めてくる。

 こうなると陛下が直接対応せざる負えない。

 そして、要求は一貫している。

 帰せと。

 こんな事ならば、正直言って直ぐにでも帰えしたい。

 だが、その手段はなく、これを陛下に言わすわけにはいかない。

 局長として、この召喚に関して責任がある。

「帰す手段は無い」

 そう言うしかなかった。

 聖女様の悲しみに満ちた表情に、胃が痛む。

 更に女は容赦なく責め立てるが、言葉も無い。

 なのにだ、儀式を統括したアウルがとんでもない事を言い出した。人一倍優秀だが、人一倍浮世離れしている奴と思っていたが、ここまで酷いとは想定外だ。

 命で詫びるしかないとした時、メイド長が意外な行動に出た。

 アウルをトレーで殴りつけた。

 更には聖女様も泣きながら叩き、最後に女がトレーが割れる程殴り付け、更には最後に殺気を放った。


 何者だ?


 アウルは頭を抱えてぼやいている。

「なんで僕だけが」

「お前が人の心と言うもの理解しないからだ」

「だからってメイド長、酷くないですか?」

 全く分かってない。

「斬り殺されよりは良かろう」

「は?」

「メイド長があそこでお前を殴っていなかったら、お前の命で贖うしかなかった」

 ようやく、状況を理解したのだろう。

 静かになった。

 


そして鈍すぎる。

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