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召喚に成功したはずなのに?

この女は何?


 国の命運に関わる聖女召喚の儀の準備は数ヶ月に及んだ。

 魔術局の局長として責任は重大だ。

 聖女は国を浄化する力を持つと言う。

 疫病が蔓延するこの国は、もうその力に縋るしかない。

 禁忌と言われる召喚には賛否があり、その決定にも数年を要した。

 その中で召喚が決定したのは、国に蔓延する疫病が国を揺るがしかねない所まで来ていたからだ。

 その為に国中の魔術師を集め、研究者を育成し、召喚の魔法陣を完成させ、更に多くの魔力も蓄積し満を持して挑んだ儀式は成功した。

 悲願は達成された。

 したのだが、聖女だけでなくもう一人いる。母親かと思われたがそうではなかった。ならば聖女様と引き離そうとしたが、意外な事に保護者として権限を主張し、聖女様もそれを由とした。

 しかも、この二人居た世界では女性の権限はかなり強いらしい。さすが聖女を生み出した世界だ。

 そもそもこの女性はこちらの思惑を敏感に感じ取り、警戒を怠らない。

 聖女様を背に、一歩も引く様子もない。

 これは想定外だ。

 部下の中でも、特に見目がよく人当たりのいい者を向かわせるが、対応は変わらない。美醜の認識が違うのか?


 なんとか部屋を移動することには同意してもらえたが、この先、簡単には行きそうにない。

 まったく、面倒な事になった。


この女は油断できない。

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