待遇は良くても疲れる
しんどい
慣れない生活はそれだけで疲れる。
マシになって来たとは言え、今までとは違いすぎる生活は疲労になって積み重なる。
って言うか、周りがなんか持ち上げて来て精神的にキツイ。
「食欲が出ない」
「佳代さん、顔色が」
「ん〜頑張りすぎかな」
もはや常駐と言っていい専用厨房に置かれたソファと一体化したままだ。
「佳代様、料理長に任せては?」
そうは言ってもまたピザになってしまう。
「胃に優しいパン粥にしようか。スプーンの改良版も届いた事だし」
「是非とも、私めにお任せください」
料理長は元気だ。
なので、干し肉を削って煮てもらう。顆粒コンソメがあればいいのだけど、ここにそんなものはない。なるべく濃いめに煮詰めた所に牛乳とちぎったパンを入れて更に煮詰める。
「これは?」
本来のレシピでは真っ白なパン粥だけど、雑穀のパンなので色合いはどうしても良くないが、香りはいい。
おたまで混ぜてみると、トロッとして悪くない。チーズを少しいると、味がしまった。皿によそいスプーンで食べる。
「舞ちゃんにはもう少しチーズが多い方がいいかな?」
味を見てもらう
「十分美味しいです」
料理長はおたまとスプーン見詰めている。
「使ってみる?」
「ぜひ!」
鍋を混ぜ、掬って、戻す。
「おお!」
ただのお玉なんだけどね。
それに掬うのは味噌汁とかカレーだったらなぁ〜
「本当はおじやとかうどんとか作りたいけど、出汁とお醤油が無いとね」
「ですね。この世界にあると思えない」
「ね、味噌に麺つゆ、コンソメに鶏がらスープの素も無い」
ため息しか出ない。
空を見ると、元の世界と変わらない青い空、白い雲、空を飛ぶ鳥。
牛や豚に似た生き物がいるのが不明だが、鳥は飛んでいる。
「鶏ガラスープならできるかな? 麦で中華粥風なるかな? いや、むしろ麺を作れれば」
「佳代さん、それ! ラーメン!」
そうだ。ここに来て味の濃い物やチーズで味を誤魔化す事ばっかりだった。
もっと出汁っぽい味が欲しい。
ガラスープならチャレンジできるかも。
「作ろう、舞ちゃん。私達が今欲しているのはそれだわ!」
それを聞いた料理長がすぐさま飛んで来た。
「何でもお申し付け下さい。我ら一丸となってお作り致します」
そう言うのなら、立ち上げよう。
名付けて、鶏がらスーププロジェクト、発動!
出汁が欲しい!




