想定外の来訪者
紐パン、いいのか?
まさかこんなに紐パンが流行るとは。複雑な心境だが、喜ばれているのだからよしとしよう。
困惑しながらも、当面の生活環境は整いつつあった。
そんな中、急な面会の申し出がありそれに応じると、一際位の高そうな女性が現れた。
ドレス、髪型、アクセサリー、どれもこの世界で見た中で最上と確信できる物で、つまりこの方はそういう方だ。
ハンナさんも驚いている。
「妃殿下! 自らお出向きになられると聞いておりません」
やっぱりか。
「もっと早くが挨拶に出向くつもりでした。佳代様、お会いできて幸いです」
「私はこちらの礼儀に疎いので、失礼があるかと」
「そんな、異界からの方に私どもの方がお詫びしなくてはならない立ち場です。王妃として、此度の蛮行にお詫びしかありません」
高貴な方に膝をおられると困る。
そもそも、この方は今回の件に関わっていないとハンナさんから聞いている。
「この国の女性の発言が重要視されていない事は理解しております」
表情が陰る。高貴な立場でもそれは変わらないのだろう。
「佳代様、ありがとうございます。私の事はリズとお呼びください」
妃殿下は思っていたより気さくな方だった。
「排泄室は素晴らしいです。そして下履きも作っているとか」
「はい。こちらをご覧ください」
作っていた下着を並べると、その目が見開いた。
「なんて華やかで素敵」
「こちらの方が着用しやすく、使う方が多いです」
紐パンは大人気で、氷面下で広がっている。
正直、感情的に微妙だが文化の違いとする。
「あの、殿方のお好みはどうでしょうか?」
あ、これ未成年は関らせたくない案件だ。
「そうだ! 舞ちゃん、着用の仕方をお付きの方に教えてくれる?」
「はい。試着用はこれですね」
紐パンは着用の仕方にコツがあるので、試着用を用意してある。
「そうですね、こちらの部屋をお使いください」
すかさずハンナさんが誘導してくれた。
「ありがとう。お願い」
視線でハンナさんに『よろしく』と伝えると、『了解しました』と目の動きで伝わった。
なので、お針子さんとぶっちゃける。
「陛下との夜の事でしょうか?」
「ええ」
頬を染める様子は初々しいが、この場合の子作りは国の存亡に関わる。
紐パンの付け方はお付きの方がするとして、いかに陛下を誘うかだ。
「なるほど。まず、この紐は陛下に解かせるように」
「え? その様な手間を?」
「手間ではないです。殿方の楽しみです」
「楽しみなのですか?」
引く文化ないようだ。
「陛下に紐を解かせると、その先は変わりましょう」
「そうなのですか?」
高貴な方は色々難しい。
「先ずはお試しを。その為にも、下着の装飾を工夫しましょう」
「工夫とは?」
「素材から変えます」
レースと光沢のある薄い生地で微妙に見えないようにして、レースとリボンで可愛らしさを強調。それに合わせたベビードール調のもの作ってもらう。
「あの、これ私が?」
「そのように作ってもらっています」
「でも、あの」
目のやり場に困っている。
高貴な方には難しいのかもしれない。
「陛下しか目にしないと囁けばいいのです」
「でも、その先は?」
「陛下にお任せで」
戸惑った様子だ。
「そのままで。そこがそこがいいのです」
戸惑いながらも、お付きの方にその場で作った下着一式と共に帰られた。
後日、爵位を送られる事となり当惑することになる。
は?
これで、いいのか?




