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切実な問題まだまだ

ないと厳しい

ここに来て、ようやくハンナさんに相談できた案件がある。

 下着問題。

 この世界の下着は、緩いズボンみたいな感じ。普段使いには問題はない。

 でも、大きな問題ある。

 ともかく早急に用意しなくてはならない。

 よもや、自分の下着から型紙を作る事になるとは。


 型紙から前と後ろとまた上を切る。

 それを縫い合わせて、ゴムはないので紐で結ぶ。

 私はこれでいいが、女の子はよくない。

 リボンやレースで飾ると可愛い下着が出来上がった。

「どう?」

「いい! すごく可愛い」

 これは女の子の醍醐味!

 お針子さんとあれこれ相談しながら作るのは楽しい。

「あの、御所望の布が届きました」

「よかった! 間に合った」

 そこにいた女性たちは不思議そうに届いた布を見る。

「これは?」

 舞ちゃんは気付いてない。

「蝋を塗った布だけど、これは縫えないわね」

 悩む。これは挟んで、漏れないようにするしかないか。

 生地を何枚か重ねて間に綿を挟んで、端を縫っていく。

「佳代さん、それナプキン」

「そ。来たら大変でしょ。水を弾く布がないか頼んだけど、下着に挟めば何とかなるかな」

「あ、ヤバッ! 遅れていたから忘れてた」

 精神的ストレスが影響して遅れているのだろう。今回はそれが幸いした。

 ハンナさんが不思議そうに聞いてきた。

「これを月のものに?」

「はい。こちらではどの様にされているのですか?」

 聞くと、驚いた。布を挟んでいるだけらしい。

「え、じゃあその間は何をして?」

「寝て過ごすしか」

「え? ずっと?」

「はい」

 当然の事の様に答える。それが、この国の女性では当たり前なのだ。

 という事はひと月に一週間ぐらい寝込むって事で、この期間は働け無い。それは、女性の立場は弱くなる要因となり得る。

「この下着とこちらの布を使うと、動けそうですが」

「ええ。何度か布を交換する必要性はありますが、月の物がある時期に日常生活をする為の物です」

 するとハンナさんの目がカッと見開いた。

「これを今、月のもので休んでいるメイドに使わせていただけますでしょうか?」

「あっ、試してくれると助かります」

 ハンナさんだけでなく、そこにいる女性達の表情が変わった。

「今すぐに」

 すぐにワンセット持っていってもらう。

 同時にお針子さんが手早く仕上げて、楕円形のパッドが何枚もできあがる。

「多い日用に大きくて厚い物があってもいいかも」

「少ない日用に薄くて動きやすい物もあっていいのでは?」

「取り敢えず、色々作ってみます?」

「どんな物が使いやすいか分からないので、お願いします」

 この世界に、紙ナプキンは存在しない。これを何枚か用意しておけばなんとかなるだろう。

 とは言え全て手縫いで、下着なので肌に触れる部分は擦れないように折り込んで縫う。

 手間が、手間がかかる!

 お針子さんはさすが専門職で仕事は速い。だからこそ下着はより多く作るべく、縫う箇所を少なく紐を通す手間を無くす方法は無いか。

 あ! ある!

 股上部分を真ん中にして、前部分と後ろ部分を対象に置く。砂時計の本体部分みたいな形状の角部分に紐を付けた。

「あの、この形は?」

 ハンナさんは怪訝な表情を浮かべた。確かに、これでは何かわからない。

「佳代さん、これ」

 舞ちゃんは分かった。水着とかであるからね。

「そう、紐パン」

 男の人が入って来ない様に、見張りを付けて試着する。

「これは、着易いし乾きやすそう」

「縫う部分が少ないで、作り易いですね」

「結び加減で調整できるので、誰でも使えそうです」

 何、この紐パン高評価。

 と、若いメイドがお針子さんと走ってきた。

「佳代様、佳代様〜!」

「落ち着きなさい、どうしました?」

 さすがメイド長、毅然とした対応だ。

「失礼いたしました。私、まだ月物が終わっておりませんが、こうして動けることに驚いてしまいました」

「え? あ! あなたはまだ、休みが四日残っているはず」

「はい。でも、この下着と布で動けます」

 この際、休みはともかく動ける様になるのいい。毎月一週間寝て過ごさなくてはいけないのは辛すぎる。

 ハンナさんが頭を下げた。

「佳代様、この下着を広める許可をいただきたいのですが」

 そもそも私のアイデアでは無いし、この世界の女性の助けになるならばそれに越した事はない。

「すべての女性が使えるように配慮するなら許可しましょう」

 ハンナさんの目が見開いた。何を驚いているのだろう?

「それで、いいのですか?」

「私はこの王宮から出た事はないし城下を見た事もないけど、今まで得た感覚では労働力として女性は低く見られているように感じました。その一因として、月物の時期の休養が大きく影響しているのでないかと思います。それが改善するなら、同じ女性として協力は惜しみません」

 と、ハンナさんが再び頭を下げ、そこに居たメイドとお針子も頭を下げる。

 何? 舞ちゃんも動揺しているけど、何?

「私どもは職務として王宮に使えております。ですが、佳代様には私個人がそのお心に添えるよう全力でお仕えいたします」

「あ、はい」

「正直申し上げますが、佳代様が私達の立場をここまで理解しておられるとは思っておりませんでした。この下着は私達だけでなく。この国の女性の立ち場を変えます。感謝いたします」

 これはありがたいけど、考え違いをしない様に注意する必要がある。

「ハンナさん、月の物は女性が子を授かり育む為の大切な体の反応です。その時期が少しでも楽に過ごせるように工夫するのは、当たり前の事です」

 ハッと顔を上げた。

「当たり前で無かった今までがおかしいの。月の物は次代を育てる為の体の準備で、それは男女を問わず支えるべきでしょ。間違えないで欲しいのは、月の物の時に全く動けない事を改善したかっただけって事。個人差も大きいし、動けても体に負担はあるのは変わらない事を忘れないで」

 そう、個人差が激しくて、時として女性同士でも理解できなかったりする。

「心しました。負担を軽減する為のものとして扱うよう常に勧告していきます」

 声の強さにちょっと安心した。


本当に切実

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― 新着の感想 ―
[一言] 23話と同じ内容になってますよ!
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