何これ? すごく美味しいんだけど?
基本、あるもの活用
「こちら、佳代様の料理を料理長が忠実に作りました」
円形の平べったい食べ物が置かれた。
「佳代様がが作られたものと同じなのだな」
「はい。佳代様と全く同じ物で同じように作りました」
「ならば良い」
陛下は慎重に手にすると、ゆっくり口にした。
「いかがでしょうか」
陛下の目が見開いた。
「なんだ、これは。歯応えと旨味と塩味が絶妙だ。これを佳代様が?」
「はい。あのパンがとても食べやすくなってます」
適度な水分を含んだパンは、適度に柔らかいのに下はカリッとしていて始めての食感を生み出した。
「この歯応えはワビソウか? あの独特な後味は無いが」
「アク抜きと言う処理をしたそうです」
「それで、このような味になるのか」
「しかも、竈門の灰を使うだけです」
驚きの余りに声も出ない。
「何か、他に特別な物を使っておるのか?」
「いつものパンに、いつもの煮込み、庶民が食べるワビソウとチーズと特別な物は一切使っておりません」
「それでこれか?」
「こちらが、いつものワビソウを使った物です」
一口食べると、チーズで和らいでいるが独特の味は残る。
それが無いだけで、味わいが変わる。
「焼き時間も短く庶民にも広めやすいです」
庶民の食料問題は深刻だ。パンか芋とワビソウなどの野草や動物を捕まえる程度だ。
野菜も栽培しているが、量は少なく高価で庶民が口にすることは無い。
「これは、我が国に大きく変える料理という事だな」
「間違いありません。調理法も竈門をそのまま使いました」
「それでこれほどの物が?」
舞様が佳代様の料理を美味しいと行って食べている。
美味しい、それが当たり前なのだと。
「食事が美味しいとは?」
それに佳代様の答えは
「毎日食べる物が美味しくなくてどうするの?」
「美味しいのが当たり前だと?」
「そのようです」
確かに毎日食べる物が美味しければそれに越した事はない。
美味しい。
それが当たり前になったなら、この国はどの様に変わるのか。
「では、佳代様を我の専属料理人に」
「それはなりません」
陛下も懲りない。
食事は美味しくていい!




