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お飾り妻を溺愛する事情  作者: シャルru


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23 陰編 伯爵様の嫉妬

気がつけは、2週間も滞在していた。


(いけないわ。2,3日といって出てきたのに。すぐに手紙をださなければ!)


ソフィアは朝のうちに手紙を書き、王都に届けてもらえるよう頼んだ。


昨日のソフィアの様子が気になり、ルイスはパオの花が見える場所で今日は一緒にお昼を食べる提案をした。


喜ぶソフィア


簡易的にひざ掛けを敷き、バスケットを広げる。

果物とパンだけの簡単な昼食だが、ソフィアは心づかいが嬉しかった。


その時、屋敷の方から近づいてくる人影があることに

二人は気づかなった。


「・・・では屋敷でも農作業されたことが

あるのですか?」

「ええ、とても大声では言えませんが、野良作業をしてみなさんを驚かせました」


くすくすと笑いあう二人。


「貴族のご令嬢なのに親しみやすくて素敵です!」

「褒めていただけるのですね。ありがとうございます」


あはは。二人は顔を見合わせて笑った。


いつもは研究の話をしているだけなのに、

不思議と会話が弾んだ。

ソフィアも、ひさしぶりに肩の力を抜いて笑っていた。


「・・・・こんなところで、二人で何をしている!」


突然聞こえてきた低い男の声に驚く

ソフィアとルイス。


声のする方へ向くと、そこには

早馬で到着したばかりのフレデリックがこちらを

にらむように見ていた。


「だ、旦那様」

「フレディ!」


そろったように立ち上がる二人が、

まるで気の合った初々しいカップルのようだ。



「供もつけずにこんなところで二人で食事とは!」


(2週間も・・こんな風にすごしたのか?)


口にした瞬間、フレデリックは自分でも驚いた

責めるつもりなどなかった。


ただ、目の前で笑い合う二人の姿をみた途端、

言葉が先に出ていた。


驚き、何も言えず、うつむくソフィア。


この状況にあわてて誤解だと説明するルイス。


「奥様とは、今日初めてならんで食事をしました。

今まで、パオの観察と記録の情報を共有していただけです」


そしてさらにルイスは続ける。


「私は毎日同じ作業を繰り返しており、奥様の研究したい内容とちかかったので、ご一緒させていただきました・・それだけです。

・・・しかし供がいないことまでは気が回らず。

申し訳ございません」


(以前なら、こんなことすぐに気づけたのに・・)


ブリジットのことばかり考えていた。


そのせいで周囲が見えなくなっていた。

ルイスにまで気を遣わせて・・・。

情けない自分の現状に青ざめた顔で答える。


「ごめんなさい。フレデリック様」


その一言しか言わないソフィアに

ショックを受けるフレデリック。


(もっと言い訳を聞かせてほしい)

(誤解を解きたいといってほしい)


三人に沈黙が流れた。


それに耐えかねたソフィアは、

屋敷で休むといって、そこから走り去った。


走りながら、ソフィアはいろいろなことを考えた。

フレデリックはいつ職場から戻ったのだろう。

ルイスとの関係をどう思ったのだろう

若い男女が二人で笑いあいながら食事をするなんて・・・


フレディにうまく説明できない自分も…

嫌になった。


____ 愛想をつかされてもしかたがない・・・。


そんな考えまで浮かんでしまう。


こんな気持ちは、初めてだった。

まだ新婚のソフィアは、長く夫に会えない中で

突然知った過去の女性の存在を忘れたかった。

苦しかった。


そのことに必死になりすぎて、他のことに

気が回らなかったのだ。


急に今までの疲れがソフィアを襲う。


部屋に閉じこもり、ベッドに倒れこむようにして

眠ってしまった。

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