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お飾り妻を溺愛する事情  作者: シャルru


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17/24

17 陽編 バラのお風呂の効果

翌朝。


朝の柔らかな日差しは、

ソフィアの部屋を明るく照らす。


いつもと同じ部屋。


コンコン。


「奥様。」


__侍女長の声だ。


室内に入ると、閉め切っていた部屋の空気を入れ替える。


「おはようございます。よく眠れましたか?」


昨夜の溶けた氷を回収しながら、

「今朝は、湯あみをして、スッキリされてはいかがでしょう?」

なんだかご機嫌な様子だ。

「庭師がバラの花びらを用意しましたので、どうぞ・・」


そういうと、

侍女たちが湯あみの支度を始める。


「あ、え・・すごい。・・

      ありがとうございます・・」


色とりどりの大量のバラの花びらが見える。


「バラのお風呂は初めてで・・」


すこし元気になった。


口元から、ほんの僅か・・笑みがこぼれた。


※※


閉め切った部屋にも、

朝日が差し込む。


いつもと変わらない部屋なのに、

無機質に感じる。

まるで、半年前に戻ったように。


__何の温かみも感じない部屋。


ああ。


仕事に行かなければ。


起き上がり、着替えをしようとするが、

ボタンを外すのが面倒で、グイグイ引っ張る。

なんだ・・服も・・脱げないのか。


こんなで、何の仕事ができるのか。


そう思いながらも、


なんとか気持ちを切り替え、部屋を出る。


使用人たちに、恥ずかしい姿は見せられない。


「おはようございます。旦那様」


執事のトマスがいつものように準備してくれている。


___ありがとう。


いつもは言わないけれど、

今日はふと、でた。


すこし、驚いたトマスだが、

すぐにいつものように動き始める。


一人分の朝食が並ぶ。


そうか・・。


今日からまた。


一人で食べよう。


食欲はなかったが、少し口に押し込む。

そうしているうちに、

ふと、花の香がした。


ん?


おもわず、顔を上げた。


そこにはソフィアがいた。


すこし恥ずかしそうにして、こちらを見ている。


__足は大丈夫か?


そういいたいのに、言葉が出ない。


すると、ゆっくりこちらに歩いてくる。


(足が・・)


そう思うと同時に、彼女に手を差し伸べていた。


「無理をしてはいけない。

医師に診てもらうんだ。」


そういって、彼女から離れようとしたとき。


「フレディ。

__どうか。私を本当の奥様に・・してください」


花の香りに・・酔ったのだろうか?


今、聞こえた言葉が信じられなくて。


ソフィアの表情をうかがう。


「フレディの。奥様になりたいです。」


すこし涙目の、かわいいソフィアが、

わたしにプロポーズしている。

いつのまにか、使用人たちはいなくなっていた。


二人だけになった食堂。


はっと、ソフィアの足が気になり、

近くの椅子を引く。

クスリ。と笑って、ソフィアは腰を下ろした。


__そして続けた。


「昨日のお話。最後まで聞かなくて・・

           ごめんなさい」


__でも。


「あなたが、大好きです」


フレデリックの腰のあたりに抱きつくソフィア。


まだ信じられないけれど…確認のため、

もう一度、言ってみよう…


「ソ・・フィア。

どうか。お飾りの妻の・・契約を・・解消してくれないか?」


すこし声が震えていたかもしれない。


「はい。」


「それで・・今度は。」



怖い。この先を口にするのが怖かった。



でも信じて__


「今度は…契約でなく。本当の妻になってほしい」


目をつむって一気に話す。


「__はい。お願いします」


その言葉を聞いて…


思わず、羽交い絞めのように、

椅子に座っているソフィアを抱きしめた。


「ああ、ソフィア!・・本当に?」


先ほどまでとは違う涙がにじんだ。


ソフィアを見つめる。うるんだ瞳は美しい。


二人の顔がゆっくりと近づく。


ソフィアは目を閉じた。


驚かさないようにそおっと触れる、

優しい口づけに

フレデリックの愛を感じて


幸せな気持ちがあふれた。

一旦、二人には幸せを噛みしめて、

貰いましょう〜。


連投で、陰編へ入ります

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