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終末を過ごすあなたへ。  作者: 深山 希
もう、どこにもいないあなたへ。
17/18

君がいない

もう君には届かないけれど。

語り尽くせなかったことと、伝えたくなったことの追記を。


最初は週1くらいのつもりだったけど、やっぱり月1にしようと思う。

デートと同じ頻度の方が、らしいでしょ?

 君がいなくなってもうひと月。


 頑張って元気でいる約束だったけど。

 どうにも、頑張る気が起きないんだ。


 だって君がいないから。君が、もう、どこにもいないから。


 それでも一応傍目には元気そうに見えてるみたい。うわべだけでもとりつくろえてる、ってことでどうか赦してもらえないかな?

 ……まぁ、君の話をすると涙はこらえられないけれど。


 君の話をした時に、このラブレターのことも伝えたんだ。

 そのひとはうっかり電車で読んで泣いてしまったらしい。


 直接君を知らないひとが、君のことで泣いてくれるのなら、こうして公開した意味もあるのかもしれないね。


 何もない日々なら、多少は慣れたんだけど。少しでも変化があるとダメだね。

 電車が人身事故で運転見合わせてて、振り替え輸送になったんだけど。こういう些細な事でも、君と話すことができなくなったのがね。正直、しんどいよ。


 このあいだ、さ。思い出巡りのリモートデートで後回しになってた天丼のお店に行ってみたんだ。


 店自体がなくなってて、ちょっとショックだったよ。でも逆に考えれば、君をがっかりさせることはなかったんだから、後回しにして正解だったのかも。

 お気に入りの店がどんどんなくなる、って不満気だったもんね。お茶漬けのお店とか、アヒージョや赤ワインに漬け込んだ煮卵がおいしかったバルとか、お豆腐の店は……完全予約制になっただけだったかな? あの店まだあるんだろうか……

 お気に入りのメニューもそうだったよね。例の創作居酒屋の冷凍ミカンがまるごとひとつ入ったチューハイとか、石焼地鶏の店のつくね(軟骨抜き)とか。いぶりがっこのポテトサラダは復活したけど……これは間に合わなかったし。


 例のショッピングモール(ビル?)といい、思い出の場所がどんどんなくなっていくのは辛いねぇ。もう、増えることはないのに。ひとりで新しい店の開拓、なんて、とてもする気にはなれないし。


 そんなわけでお昼はスープのお店にしたよ。スープに合わせるなら、ってことでいつもセットはパンにしてたけど。この前のごはんと今回のパンを比べてみた結果、ごはんの方が好みかもしれない、って思ったよ。大盛りにもできるしね(笑)


 なんだかんだ、食の好みは似てたよね。


 オレは君ほど偏食じゃないけども。いくらか好き嫌いはあっても、食べられないのはグリーンピースぐらい? 




 一応ね、新作のプロットもざっくりと考えてみたりはしたんだよ。モデルは君……というか、俺と君のふたりかな? ヒロインの名前は今後フィリアで統一する所存(笑)


 ――と、まぁ、軽く考えてはみたんだけれど。


 頑張って、創っても。もう君に読んでもらうことはないんだと思うとね。


 やっぱりやる気は見つからないや。


 停滞した時間がゆっくりと腐っていくような感覚。時間が壊死する、っていう表現は君も好きだった例のドラッグキメて悪魔召喚とかして戦う――これが作者様自身の表現なのがウケる――小説のサメのひとから。


 いつまでもこのままではダメなのはわかってるけど。


 それでも、まだ、時間が必要そうです。


 うん。とりあえず、倦んで腐り果ててしまわないように、毎日少しずつでも書き続けるところから始めてみましょうか。

 これなら、胸は張れないかもだけど、頭をかきながら「頑張ってはいるよ」って、君に言い訳くらいはできるだろうから。


 最後に。今年は『誕生日おめでとう』って言えなかったね。君はここ最近「またひとつばばぁになった」なんて自虐してたけど。


 しわくちゃのおばあちゃんになるまで、隣にいてほしかったです。

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