第十九話 行動と責任、そして追及
司は、あの激戦の後、一度家に帰り一夜を明かした。そのあと──…王都で戦闘があった日の翌日の早朝のことだった。
激しくリュシアの家のドアがノックされる
「騎士団だ!司!いるんだろう!」
「クルラ。こじ開けろ」
命令を受けたクルラ・ラーマンは、すぐさま魔法の用意をした
「全員魔法の用意をしろ!相手が抵抗してきたらすぐに放て!だが殺すなよ?」
「了解!」
命令を受けた兵士たちは魔法をすぐに使えるように頭を整理した
「クルラ。準備はいいな?3、2、1 突撃!」
リュシアの家のドアが破壊され吹き飛ぶ
司はここでようやく起きる
「敵か!?」
すぐに魔法の準備をし、廊下へ出る
「そこで止まれ七瀬司!お前は国家転覆罪の疑いがかけられてる。ついて来い!」
「・・・?」
「だからついて来いと言ってるんだ!早く来い!このウスノロが!」
「あ、ああ」
司は状況を理解できていないがとりあえずその怒鳴りつけてくる人間に向かって歩き出す
リュシア達…そのまま寝たふりをしていろよ
内心司はそう思う
「手を挙げろ」
俺は言うことに従う。すぐさま全身を触られ、ボディーチェックのようなものを始められる
「よし。いいぞ。手錠と目隠しをつけろ」
2人の兵士が司に手錠と目隠しをつける
「誘導しろ」
・・・
「はずせ」
目隠しが外される。目の前にユーリがいた
「おい。お前ら王国騎士団が何をしてる?」
「勝手にあなたたち騎士団が入ってきたんですよね?言いがかりはよしてください」
「とりあえず今は僕しかいないので入ってもいいですけど」
「おい。七瀬司。お前は何をしたかわかっているか?」
「…よく・・わかりません」
「そうか。お前は一回目の魔獣騒動で王都の中心部でアルベルトとやらと魔法を放ち王都を壊滅させた。そしてそのあとは郊外に移動して魔獣を壊滅させた。なぜ最初からやらなかったのか?お前は王都ゼルシオスを壊滅させ、親水王国エグゼルトに反撃しようとしたのか?」
「次に謎の少女とやらの件。ユーリ…上官。あなたが説明してください」
「僕はその場に居合わせた。それにそこの少年…七瀬司と一緒に戦った。その事実を最初に述べます。それからあの少女に関して。あの少女は七瀬司を”認識”し、”攻撃対象”にしたと考えられます。ですがそのあと僕が来たら、面倒くさいのが来た。今日は撤退だ。と言い残し去っていきました」
「その数十秒後、王都に爆発する炎が降り注ぎ王都の機能はすべて失われました…王都は壊滅しました。あの少女の正体はいまだわかりません。これが僕の見たもののすべてです」
「そうか。わかった」
「だがお前に国家転覆罪の疑いがかけられてることは事実だ。1つ目は王都であるゼルシオスの中心部を意図的に壊滅させたこと。2つ目はそのあとに王都の郊外に魔獣をおびき寄せて攻撃するということを行い王都の中心部に攻撃をしなかったこと。本当に王都を壊す必要はあったのか?謎の少女に関してはこの疑いには入れられてない」
「…確かに、必要なかったと思う。でも俺はその時、それをすれば魔獣は全員殺せる…そう思ってた。でも実際は違かった。意味がなかった。王都の住民の住宅を壊してしまった。俺も悪いと思ってる。ただ、知らなかった。それで済まされることではないのもわかってる。だけどよ?少しぐらい恩赦をかけてくれよ」
「先ほどから少し思っていたことを僕から言っていいですか?」
ユーリがそう聞く
「大丈夫です」
騎士団が答える
「いくら騎士団だからってあなた方の司への対応は不適切だと僕は思います。特にあなた。騎士団団長アナク・オマリー」
「確かに司が王都を破壊したのは事実です。それに意図的であることも確かです」
「ですがだからと言って国家転覆罪にするのは誰が決めたんですか?少なくとも王国騎士団精霊騎士軍の僕たちの隊には伝えられてません。僕の本隊に所属している友人からもそのようなことは聞いていません」
「つまりあなた方は国王陛下の意思を問う必要がある”国家転覆罪”をあなた方の独断で司に押し付けているということです。もちろん司が悪い部分もあります。ですが国家転覆罪は僕、王国騎士団所属 ユーリ・アッカールがここで保証して、ここで国家転覆罪として扱うことを停止し、国王陛下に指示を仰ぐことを命じます」
「ユーリ…!」
「あ…ああ、そうだ。全部俺たちが決めてしまったことだ」
…ユーリ・アッカール。王国騎士団で2番目の立場にある精霊騎士軍の隊長…下手に俺ら騎士団が突っかかってもへたすりゃぁ首が飛ぶ。認めなければいけない…か
「ですよね。国王陛下のもとに司もつれて処遇を決めましょう」
「僕が案内します」
・・・
「国王陛下。失礼いたします」
「どうぞ」
「マール国王。本日の要件ですが、先日の魔獣騒動に関係する少年の処遇を決める、また、騎士団が国王陛下の意思を問わず国家転覆罪として扱う、という処遇を決めていたので、騎士団の処遇を国王陛下に伺いたいと思いここに来ました」
「わかった」
「まず前者から。私は結果的に魔獣をせん滅した。その功績をたたえよう。だが罪が消えることはない。わかるな?」
「はい」
司は緊張しながら震えた声で答える
「今後王都のような人口密集地で攻撃魔法を扱うことを禁じる。また、この命令は今後魔獣狩試験を受け、合格した場合は取り消しとする」
「・・・」
まだましなほうだよな?だって王都を壊滅させたのは俺…とアルベルト。だが指揮をしたのは俺だから俺のほうが責任は重い。つまりこれはまだ”いいほう”なのか
「次に後者」
「君たち騎士団には日ごろから王都以外の小さな郊外都市などでも対処してくれていることに感謝している。それを踏まえたいところだが、憲法第13条 ”自己の利益を優先し、他人を貶めること”にあたる。憲法にのっとり、騎士団団長 アナク・オマリー 騎士団副団長 クルラ・ラーマンを3か月間の謹慎、その後3か月間の騎士団としての戦闘を禁ずる」
「はい」
2人は答える
「じゃぁ出るぞ。クルラ」
「はい」
「司。君も出よう」
「待てユーリ」
「司、君だけは残ってくれ」
俺だけ残れ?…なにかを言われるのだろうか。だが国王の言うことに従わなかったらどうなるかわからねぇな
「ユーリ。国王様がこう言ってるんだからお前だけ出ろ」
「わかった。僕はお暇しよう」
「司…といったかな」
「国王…様」
「国王でいいぞ」
「いや、国王様…じゃないのか?」
「二人きりなんだから。そうやって畏まらなくてもよい」
「いやぁ、でも国王だからなぁ」
「そりゃぁそうか。まぁゆっくり慣れてけばよい」
「まぁ本題はそこではない」
「じゃぁ何だ?魔獣狩にでもなれと?」
「そうだ」
「んで、その魔獣狩とやらはどういうやつなんだ?」
「合法的に街の中などで魔法を放ち魔獣を狩る職業だ」
「始まりは200年前──…とある勇者が魔獣狩の必要性を訴えたのが始まりだ」
To be continued




