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異世界召喚されたんだけど、なんか様子がおかしい  作者: よく知らんロボ
第一部 異世界にて

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 冒険者達がダンジョン深層へのチャレンジを繰り返す中で、ある習慣が一般化する。


 魔物食だ。


 魔物食とは読んで字の如く、仕留めた魔物をその場で捌いて調理し食べる事だ。


 なぜそんな奇行が浸透したのか、その理由は荷物の軽量化に由来する。


 ダンジョン深層へ辿り着く為には、一流パーティーがどんなに効率よく潜ったとしても数日かかる。

 その為の食糧を往復分用意し担いでいくとなると相当量の荷物となり、それはパーティーの足を鈍くすることに直結する。

 おまけに帰りは鉱石や貴金属といった換金アイテムも持ち帰らなければならない。故に冒険者達はいかに荷物を減らすかというのが、探索に挑む前の喫緊の課題となっていたのだ。


 そこで考案されたのが魔物食だ。


 現地で倒した魔物を調理し食糧とすることによって、自前で担いでいく食糧を最低限に抑えることができる。

 更には食糧の心配が無くなることによって深層での探索日数が飛躍的に増加、当然換金アイテムの回収量も必然的に比例増加する。まさに一石二鳥と言える。


 魔物食によって冒険者の探索効率は革新的に向上したらしいのだ。


 しかし魔物食……、闘技場でほんの数種類だけ確認したけどあれを食べるのか……。


 想像すると正直言って正気の沙汰ではないな、と一瞬思った。


 でも考えてみれば世の中には実際に食べてみないと食えるかどうかわからない物はたくさんある。

 主観的な例を挙げるなら、ナマコやホヤ、ユムシなんて見た目だけなら普通にクリーチャーだ。あれを世界で初めて食ってみようと考えた人間は相当な剛の者だとは思うよ。


 いやどれも美味しいし個人的には好きな食材だ。ただ現代人はそれらに毒がなく美味いのが解ってるから平気で食べているだけに過ぎない。仮にナマコが食べ物と認識されていなければ、殆どの人間は海に転がるアレを口に入れようとは思わないんじゃなかろうか。


 だからダンジョン魔物を最初に食べようと考えた冒険者ってのも多分かなりぶっ飛んでた奴なんだろうと、そう思った。

 

 話は戻るけど、魔物食の良いところは荷物の軽量化や探索の効率化だけに留まらない。

 魔物の肉、それは食べた人間の身体能力や魔力を一時的に向上させるのだ。

 ゲームで言うバフアイテムみたいなものかな。

 その中でも特にバフ効果の高い肉を持つ魔物は、冒険者の格好の獲物として換金アイテムと同じくらい重宝された。

 保存加工して持ち帰れば高値で引き取ってもらえるからだ。


 それらの理由から益々もって隆盛を極めるダンジョン探索稼業。

 冒険者達が深層への探索に湧いている頃、国家研究施設ではあることが執行された。


 スキル強化剤の開発機関の解体と、関わった者達の粛清だ。

 あまりに禍々しい研究であった為に、国は証拠隠滅を図ったのだろう。

 大規模な戦争が終わりを告げた今となってはスキル抽出炉は手に余る代物と言っていいし、万が一にも国民に知られる事があってはならないからだろう。


 だけどスキル強化剤そのものが無くなった訳ではない。いやむしろその流通量は以前より多くなっている状況だ。


 その原因は一つ。


 粛清を予期していた国家研究施設の主幹研究員が極秘裏に野に下り、裏社会の支援を受けながら研究を続けていたからだ。

 天才と呼ばれていた彼は闇の世界にてスキル強化剤の生産体制を整えてしまった。


 裏の組織が彼に手を貸した理由は一つ、スキル強化剤を使っての金儲けである。実際、冒険者達は組織が闇市で販売するスキル強化剤をこぞって使用していた。


 値段も手頃かつ高い強化効果を得られるその薬は、常に危険と隣り合わせの彼らにとって探索を比較的安全にしてくれる有難い存在であったからだ。


 その効果は魔物肉のバフと重複することもでき、両方同時に使用するとエピックランクスキルの人間が一時的にエクストラランク並みの力を発揮するほどであったという。


 冒険者達の勢いは、まさにこの時ピークを迎えていた。だけど、とうとうこの異世界に悪夢の序章を告げるある事件が起こる。


 冒険者の一人がダンジョン内でパーティーメンバーを殺害、その死体を食ったのだ。

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