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一日一詩  作者: 時ノ宮怜
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毒雪

 積もってゆく

 思いが、想いが

 積もってゆく


 私の白い思いが

 しん、しんと

 降り積もってゆく

 あなたから私を隠す様に

 思いが降り続ける

 それは吹き、積もり、

 深く、初めての想いが

 白く積もり行く


 積もって産まれた思いの銀世界

 銀に映るのは私の顔か、あなたの顔か


 穢れを知らない思いに一匹

 踏み荒らす毒虫ひとつ

 百の足をかちりと鳴らし、

 醜い跡を残してく


 蝕まれていく、

 染まってゆく、

 侵されていく、

 銀世界は黒くなっていく

 腹の底からこみ上げる熱いもの


 熱い熱い、

 溶けた銅のように、ドロリとした赤い金属の液が

 垂れて落ちる

 黒くなる銀世界が、そこだわたしに染まる。


 ああ、でもだめ、

 まだ、だめ

 あの人には見せられない

 こんな汚れた私を

 こんなにも染まった私を見せたくない


 どうか、どうか、

 忘れないで、

 思いが白かったことを

 私とあなたが歩んだ銀世界を

純粋な思いほど儚く

汚い想いほど、長く、重く、縛るものです

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