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自嘲

            アデリーヌ視点


「さぁ、速く歩け」


襲撃者はアデリーヌとアリシアを連れ歩いていた。


「追ってが来ているかもしれないからな」


「でも小屋の罠で全員死んだだろ。さっき音が聞こえたしな」


「洞窟に誰かきたらわかるようマジックアイテムを設置してきたからな」


「どうした?」


「入り口に反応がないぞ」


「ほらな」


襲撃者は安心したらしく余裕がありそうでした。


レティシアを逃がし、応援を頼みましたが、さきほどの爆発でやられたかもしれません。

いえ、そもそも助けなんてこないかもしれません。

私は英雄殺しと呼ばれ嫌われているのですから。


私が物心つく頃には私は周りから距離をとられていることがわかりました。お父様とは会話した記憶がなく、お母様は私に興味がなく唯一お爺様だけが可愛がってくれました。

王宮で働いている人からは悪口を言われ、地方訪問すれば、罵倒や卵を投げられることも珍しくありません。

今回訪れた村人たちはそういった行為はありませんでしたが冷たい目で見ていました。


「ここを抜ければ乗り物を用意してあるから感謝しろよ」


このまま進めばどうなるかはわかっていても私にはそうすることもできません。

こうなるなら、アリシアも逃がせばよかったかもしれません。


「これが英雄と王子を篭絡したと言われている女の娘か。たしかに美人だな」


男は舌なめずりしていた。


「おい、まだ安全地帯じゃねえんだから、変な気をおこすなよ」


「わかってるって。こっちの女槍士もいい女だな」


「くっ」


アリシアはアーティファクトを取り上げられ、縛られているため睨むことしかできなかった。


少し歩いていると


「やっぱり我慢できねぇ。ここでやっちまおう」


「おい、お前」


「入り口には反応はないんだろ。ならここで楽しんでも問題ないはずだぜ」


男の言葉で流れが変わってしまった。


「そうだな。結構離れただろうし」


「ああ、その通りだ」


ああ、いつかこんな日が来ると思っていましたが、いざ来るとこんなにも怖いものですね。

前回はレティシアとクサナギ様が助けてくれましたが今回は無理そうです。


「おい、姫様に手を出すな」


「大丈夫だ。お前も可愛がってやるからな」


アリシアごめんなさい。


私は諦めるように目を閉じた。


しかし何も感じなかった。


目を開くと男たちは倒れていた。


「間に合ったようだな」


そこにはクサナギ様とレティシアがいた。



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