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生まれてくることは罪じゃない

「やっぱりあいつっすか・・・」


宿屋の部屋に着いたが、2人は不服そうだった。


「正直やる気がそがれるな」


珍しくディアが悪態をついていた。


「どういうことだ?」


2人の態度に疑問を持った俺は2人に聞いた。


「旦那が言っていた女性は『英雄殺し』っすから」


英雄殺し・・・晩餐会で彼女に暴行しようとしていたやつもそう言っていたな。


「教えてくれないか?なぜ彼女がそう言われているのかを」


「旦那はグローリーウィークとレディアントガーディアンは知ってるっすか?」


「たしか十二士との激闘をした戦いのときに主導した組織だっけ?」


「そうっすね。レディアントガーディアンには聖女が所属してたっす」


「聖女は協会専属じゃなかったのか?」


「基本はそうだが、聖女が強く望んだらしい。レディアントガーディアンのリーダーに好きになったからと」


「すごい、意志だな」


まるで物語を聞いているみたいだ。


「だが、聖女はグローリーウィークに参加しなかった。王子との淫欲に耽っていたからな」


え?急展開すぎないか?


「聖女はリーダーが好きだったんじゃなかったのか?」


「金と権力に靡く軽薄な女ってことっす」


「彼女は参加しなかったせいか組織のメンバーはリーダーを含めて半分が戦死、追随した人たちも千人以上死亡した」


それは大損失だな。


「で、その時できたのが」


「アデリーヌってことか?」


2人とも頷いた。


なるほど多くの人たちが命がけで戦っているのに聖女と王子がそんなことをやっていたら、反感は買うな。だけど


「アデリーヌは生まれてきただけだ。彼女に罪はないだろう?」


「世間はそうは見てないっす。多くの人が死んでいるなか、生まれたことが英雄殺しと言われる由縁っす」


「両親は何もしていないのか?父親は王子なんだろ?」


「さぁ?グローリーウィーク以降王子と聖女を見た人はいないって噂っす。死んだという人もいれば、2人仲良くしているって言う人もいるっす」


こんなの・・・あまりにも可哀そうじゃないか。


「俺は彼女を助けるぞ。1人でもな」


「わかったっす。やるっすよ」


「ショウがやるならやろう」

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