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vs仮面男

「音をまったく出さなくなるサイレント、戦闘では役に立たないが不意打ちには有効だっただろ?」


いつの間にか仮面男が背後にいて俺に攻撃してきたのだ。気配を消せるアルスか・・・盲点だったぜ。俺はポーションを飲もうとした。


「クサナギ、≪ファーストエイド≫」


フィフティのアルスで傷は治っていた。これが聖女の力か。


「さすがは聖女だな」


「私を聖女とわかって誘拐するなんて、どうなるかわかっているの?」


フィフティは仮面男に怒りをぶつけていた。


「私たち聖女を守る部隊が来たら、あんたなんてコテンパンにやっつけるんだから」


「ああ、だからお前を傷つけていないだろう?お前にかすり傷でも負わせたら『セイント』が地の果てまでも追ってくるからな」


「私を誘拐したのはお金目的ね?」


こいつの傷を治す力が目的じゃないのか。


「よくわかっているじゃないか。今前金を貰ってお前を帰そうと戻ってきたんだが、まさか脱獄しているとは・・・」


「なら、このままいっていいかしら?」


「ああ、お前だけならな」


仮面男は俺を見ていた。まぁ、俺はあいつからしたら邪魔者以外の何物でもないからな。


「・・・」


「俺に気にせず行け」


何立ち止まってる?早く行けよ。


「クサナギ、大丈夫なの?」


「ああ、お前のおかげでな」


俺は立ち上がり、刀を構えた。


「俺に勝てると思っているのか?俺は上級クラスだ。そんな俺に【剣士】でもないお前に勝てるわけないだろうが」


「上級クラスですって⁉」


「強いのか?」


「強いってもんじゃないわよ。中級クラスよりも上、1万に1人しかなれないという存在よ」


それはすげぇな。初級クラスの俺じゃ勝てないかもな。


「その通り」


「上級は敬意と畏怖をこめてミドルネーム、つまりクラス名で呼ぶんだけど、あんた名前は?」


「言うと思っているのか?言えば貴様は死ぬことになるぞ」


殺気が今まで以上に込められていた。


生かして返す相手に情報をお渡す馬鹿じゃなかったな。正直勝てるどころか逃げ切ることもできそうにないな。しかし怯えているわけにもいかない。


「あんた、やる気なの?勝てないわよ」


「やってみなくちゃわからないだろうが」


俺はパララの胞子を集めた玉を投げた。それをやつは切りまともに受けた。


「フィフティ、あれは吸うとしびれるから気をつけろ」


「はぁ?そういうのは早く言ってよ」


口と鼻をハンカチで覆った。


「いや、投げる前に言ったら、相手にもバレるだろうが」


「そうじゃなくて、あいつに会う前に言ってほしかったって言っているの」


俺たちが言い合っていると


「残念だが、俺の抵抗力の前では無意味だったな」


誘拐犯はピンピンしていた。


「・・・他にも策があるわよね?」


「・・・ああ」


正直かなり危険な賭けだからやりたくないけどな。


「戦うぞ」


「え?それは・・・」


「俺を信じてくれ」


俺はフィフティの目を見て言った。


「ふ、ふん。可哀そうなあなたを信じられるのは私だけだからね・・・信じていいのね?」


日常ならイラっとするだろうその言葉今は嬉しく感じるな。


「ああ」


「わかったわ、いくわよ≪バリアー≫」


俺とフィフティは仮面男に攻撃を開始した。フィフティの援護で対等に戦っているように見えるが誘拐犯に防戦一方だった。


「はぁ、はぁあんた強いなさすがはバンデットウルフのメンバーだけはあるな」


体力も魔力も残りは多くはなさそうだ。


「残念ながら、俺はバンデットウルフのメンバーじゃない。あいつらの力を借りただけだ」


なんだ俺の勘違いだったのか。1人で突っ走ってこの様か。


「そうかい、だからって容赦しないがな」


「そういうセリフは優勢の時に使うものだ」


ファーストエイドは体の傷は治しても体力は回復してくれるわけではないみたいだ。だが十分だ。


次で勝負は決まる。


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