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昨日の敵は今日の友

よし、行くか

リックを背負い、スーツケース持ってドアを開けると作業服を着た男が立っていた


「よう、久しぶりだな」


ん?誰だ?


「この恰好じゃわからないよな。龍一だよ。岡山龍一」


岡山・・・岡山龍一だめだ、出てこない。


「・・・ファーストドラゴンだよ」


「ええっファーストドラゴン!!前と全然違うじゃねーか」


ファーストドラゴンと言えば、角刈りの金髪でピアスを20個はつけていたが、今目の前にいるのは、黒髪の七三で面影がまったくなかった。


「お礼参りにきたのか?」


昔、彼が率いていた不良軍団を壊滅させたことがある。ゆえに警戒した。


「いや、違うお前がここから出て行くって聞いたから・・・」


「お礼参りじゃないなら、何しに来たんだ?」


「礼を言いに来た」


「やっぱり」


「あっ違う報復じゃなくて、感謝の礼だよ」


「感謝?感謝されることした覚えがないんだが?」


「軍団を壊滅された時はムカついたが、今は感謝しているんだ。あのままならどうなっていたか、わからないからな。今はまっとうに働いて、大変だが充実しているんだ」

「そうか・・・」


「あの、これ受け取ってほしい」


渡されたのは段ボールだった。中にはカップ麺やレトルト食品だった。


「俺が今働いている会社の商品なんだ。手軽に食べられそうなのを選んできたんだ」


・・・まさかあのファーストドラゴン、いや岡山こんなことしてくれるとは思わなかった。


「そうか、ありがたくもらうぜ」


「そうか」


嬉しそうに岡山笑った。


「じゃ」


「待ってくれ、これを」


渡されたのは名刺だった。


「帰ってきた時に連絡してほしい。妻が手料理を振る舞いたいって」


「妻って結婚したのか?」


軍団が壊滅したあと、ほとんどの人が離れて行ったからしが幼馴染の女性だけは離れなかったと噂に聞いていた。


「ああ、それに・・・」


「それに?」


「子供にあってほしい・・・」


「マジか?」


他人なんてどうでもいい、そんな雰囲気だった男がこんなにまるくなったのはそういうわけか。


「ああ妊娠三か月だって言われた」


「よかったな」


「小遣いは減らされることになったよ」


嬉しそうに言って・・・いい父親になりそうだな。


「岡山」


「なんだ」


「なるべく子どもの傍にいてやれよ」


なんでこんなこと言っているんだろ?まぁいいや。


「もちろんだ。じゃあ俺はこれで」


岡山は車に乗って去っていった。

そうかあいつ更生したのかよかった。



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