囮捜査開始
夜も深い中、白いワンピースに赤いスカートを履いた人が路地裏を歩いていた。
「こんなところに1人でなんて不用心だね」
「本当だよ。悪い奴に捕まっちゃうよ俺たちみたいのにね」
男2人はその人物を捕縛し、アジトに連れて行った。そして牢屋に入れた。
「けっこう美人でしたね」
「ああ胸がないのが残念だが」
「俺は貧乳でもいけるタイプなんで貰っていいですか?」
「馬鹿野郎。商品に手を出すな。あの娘は生娘だ」
「マジですか?」
「ああ、俺の勘が言っているんだ」
「さすがはアニキ」
「照れるぜ」
「さぁ、本命を盗りに行くぞ」
「うっす」
男2人の声が遠ざかっていった。
「俺はそんな経験あるわけないだろうが」
今俺は、バンデットウルフに誘拐されている。
スーツケースに美人コンテストの時に使ったカツラと化粧道具が入っていたときはどうしたもんかと思っていたが、今はあいつらに感謝していた。
縛っていた縄はゲンさんが教えてくれた縄抜けで脱出できた。さて、作戦を開始するかと思ったが声が聞こえた。
(もう戻ってきたのかよ)
俺は女性の振りを再開した。
近づく声に大きな怒号が聞こえた。
「ちょっとわたしを誰だと思っているの」
「くそ、静かにしろ」
「まったくこんなじゃじゃ馬とは思わなかっですね」
「こんなところに置いて行くなーーー」
男たちは向かいの牢屋に女性を入れて鍵を閉め、また出て行った。
女性はしばらく騒いでいたが、疲れたのか段々静かになった。
「ちょっと向かいのあなた」
ん?俺のことか?
「あんた何とかできないの」
うるさいなぁと思いながら向かいの牢屋を見て驚いた。
「・・・聖女?」
「そうだけど、文句ある?」
そこには、先日あった温和な雰囲気ではない、過激な聖女がいた。




