オロチ
「ピアーズはいたぞ」
「どこだ」
ピアーズはマンティークの亡骸の先にいた。体はボロボロだが息がある。
「だ、旦那、おじょ・・・お」
「無理して喋るな。ポーションを飲め」
俺は、ピアーズにポーションを飲ませた。
だか歩けそうになかった。
「おれが負ぶっていく。もしモンスターが現れたら、頼むぞ」
「任せろ」
ディアが先行し、俺はピアースをおぶっりながら走った。
「旦那、時間が・・・」
「お前は休んでいろ」
俺たちは走り続け、出口にたどり着いた。
「おい、体内にいたモンスターは倒した。口を開けてくれ」
口が開き、俺たちは脱出するこができた。
「お兄ちゃん大丈夫?」
ミアが心配そうに駆け寄ってきた。
「ああ、ちょっと疲れただけだ。もう終わった。家に帰ろう」
こんなに疲れたのはファスタリアに来て初めてだ。今日はぐっすり寝れそうだ。
「お家に帰れるの?」
「ああ、だろう?」
俺はヘビに返答を求めた。
「ああ、約束を果たしてくれたからな」
「もう痛みはないか?」
「ああ、苦痛がない状態は何年ぶりか・・・」
何年振り?かなりの間苦しめられていたのか。
「よかったな」
「ところであれは、持ってきたのか?」
「・・・いいや持ってきてはいないよ」
「マンティーククイーンは倒した。ディア、ピアーズを追いかけるぞ」
「待て。あれを見ろ」
クイーンの亡骸の中に『巳』と書かれたオーブがあった。
「これはオーブ。ヘビは十二士だったのか」
十二士、邪神セラミスを復活させようとする連中か
「早く行こう、ピアーズが待っている」
「だが」
ディアはこれを持って帰ろうと言いたいのだろうだけど・・・
「それはフェアじゃないだろう」
こんなずるみたいな方法は主義に反する。
「・・・わかった」
俺たちはオーブを手に取らずにピアーズの方へ向かった。
「置いてきただと・・・愚かな」
「そうかもな。だが取らなくてよかったと思っているぜ」
「・・・なぜだ?」
「あんたの誠実さに報いたからな」
「誠実だと?」
「だって、そうだろ。2時間17分」
「?」
「俺たちがあんたの体内に入って2時間17分も経っていった。なのに無事に帰ってこれた。耐えてくれたんだろ」
入った時、時計の針は2時25分を示していたが、今は4時42分だった。17分もオーバーした俺たちは胃酸せ解かされていたはずだったが、こうして無事だったのはこいつのおかげだった。
「フハハハ。面白いやつだな」
「そうか?」
「そんなお前に我の腹にある物をくれてやろう。オーブを含めてな。もうすぐ我は死ぬのだからな・・・」
そうかやはり・・・
「どういうことだ?体内いたモンスターは全部倒したはずだが?」
ディアは驚きどよめいていた。
「・・・生物ってのは普通、カビやコケ、キノコが生えないもんだ。免疫力ってものがあって、それらを除外してくれるからな」
「体内にはスパークマッシュルームが・・・まさか!」
ディアも気づいたな。
「そういうことだ。もう我に残された時間は少ない。苦しみながら、朽ちると思っていたが、お前たちのおかげで楽に逝ける」
「最期にあんたの名前を聞いておきたい」
「フハハハ。いいだろう。我はオロチ。この森の主で十二士の一士だ」
「そうかオロチ。あの子ミアを助けてくれてありがとうな」
ミアは恐る恐るオロチに近づき
「あ、あの。ありが・・・とう・・・ござい・・・ました」
勇気を振り絞ってお礼を言った。
「・・・偶々だ」
そう言いオロチは消えていった。
「さらばだオロチ。安らかに・・・」




