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ヘビの体内へ

緑色に茶色のまだら模様に体長がどのくらい長いかわからないくらいのヘビがそこにはいた。黄色い眼光は俺たちを震え上がれるほど、鋭かった。


「旦那、これは最悪の状況っすね」


ああ、本当にな。


「2人ともモンオソを体にかけろ。もしかしたら、逃げてくれるかもしれない」


「なるほど」


正直、これでうまくいかなかったら、俺が囮になってあの子を逃がすしかないな。


「臭いな」


「「「喋った」」」


「喋れるのは人間だけだと思ったか?」


「悪いな、この世界にきて日が浅くてな」


話ができるなら交渉してみるか。


「・・・なるほど。それで我を殺しに来たのか?」


「違う、そこにいる子を助けに来ただけだ。その子を帰してくれるなら、すぐに立ち去るだから」


どうだ、いけるか?


「ならぬな」


「な、なぜ?」


「この者は我のテリトリーに侵入した。お前たちは自分の敷地に侵入した虫をどうする?」


話に聞いていた通り縄張りに強いこだわりがあるみたいだな。これは、まずい。


「≪アウトプット≫タイラントウルフ、ブラックボア」


俺は今持っているモンスターを取り出した。


「何の真似だ?」


「取引しよう。その子とここにあるタイラントウルフ5匹、ブラックボア8頭と交換してくれ」


俺は緊張で汗が止まらなかった。モンスターよりヒューマンのが好みとか言われたら、詰みだな。


「フハハハ。お前面白いやつだな。だがそれでは解放できぬな」


こいつは「それでは」と言った。なにか違うものなら応じるということか?


「なら、どうすればいいんだ?」


「話が早い奴は嫌いではないぞ」


ヘビは笑っているようだった。よし、希望の光が見えてきた。


「条件は・・・我の口の中に入ることよ」


「何言っているっすかこいつ」


ピアーズはナイフを構え、罵倒していた。


「ピアーズ落ち着け。こいつが俺たちを食おうとするなら、とっくにやられているはずだ」


そう、俺たちとこいつの実力さは歴然。なのにわざわざ言うのはなにか意図があるはずだ。


「フハハハ。その通り。お前たちには我の腹の中に入り、暴れているやつらを潰してほしいのだ」


「寄生虫にでもやられたのか?」


「・・・まぁそんなところだ」


ヘビは目を細めていた。


「わかった、お前の要求を受け入れよう。俺が行ってくる。2人は待っててくれ」


「何を言っている私も行くぞ」


「食われるかもしれないんだぞ」


「お前、1人では行かせられない」


強固な意志を感じる目だった。これは止められないな。


「わかった。ピアーズ」


ピアーズはビクッとした。


「あの子と一緒にいて励ましてやってくれ。怖い目にあって不安だろうからな」


「あ。り、了解っす・・・」


俺たちは女の子に近づいた。小刻みに震えて、猿に攫われて、今はヘビに食われそうになっているこの状況じゃあ仕方ないよな。


「大丈夫?怪我はない」


見た感じ服は汚れているだけで怪我はなさそうだ。


「う、うん。だ、大丈夫・・・」


この子をリラックスさせるには・・・手品だな。今できる手品は・・・

俺はキョロキョロと周りを見て花を見つけて、花を抜いて、手に乗せた。


「今、右手にお花があるよね?」


「う、うん」


「でも、こうすると」


右手を握り、左手で指を鳴らした。そして再び開くと花はなくなっていた。


「お花がない・・・すごい」


よかった。少しは明るくなったみたいだ。


「えっとお名前はなんて言うのかな?」


「ミア・・・」


「ミア、ポケットを探ってみて」


ミアは自分のポケットに手を入れた。すると花が出てきた。


「お花がミアのポケットにある!なんで?」


「それは魔法のお花でもっていると元気がでるんだよ。どう?」


「少し・・・大丈夫になったかも・・・」


「よし、これからお兄ちゃんとお姉ちゃんはいなくなるけど、すぐにもどってくるから、このお兄ちゃんと待っててね」


ミアはコクリとうなずいた。


「えらいぞ」


ディアはミアの頭を撫でていた。


「ピアーズ、この子を頼むぞ」


「・・・」


ピアースどうしたんだ?


「ピアーズ、おい」


俺はピアースの肩を揺らした。


「え?何か言ったんすか?」


ピアーズは聞いていなかったみたいだ。


「その子を頼むって言ったんだよ」


「あ。ああ・・・」


歯切れが悪いな。大丈夫か?


「ディアそろそろ」


「うむ、覚悟はできている」


「≪アウトプット≫ランタン」


俺はランタンを取り出した。


「それは何だ?」


「ああ、これは光って周りを明るくするものだ。体内は真っ暗だろうからな」


ディアはランタンを手に取って物色していた。


「準備はできたか」


ヘビが話しかけてきた。


「ああ、待たせて悪かったな」


「別にかまわん」


「そうか。あんたいいやつだな」


「ふ、制限時間は2時間だからな」


制限時間があるのか?


「ちなみにそれを過ぎると?」


「胃液が流れて、お前たちが我が血肉になるだけだ」


なるほど、それは2時間以内に帰ってこないとな。


「勇敢な者だけ我が体内に入るがいい」


ヘビが口を大きく開けた。いざと入るとなると足がすくみそうだ。


ディアは躊躇せず進んでいった。ディア・・・お前勇気があるな。俺はディアに後ろを歩きヘビの口の中に入った。口が閉じられ暗くなったので、ランタンを点けた。


「おお、本当に明るいな」


「いや、信用してなかったのかよ」


「あ、いや・・・それは・・・」


こいつ・・・まぁいい。


「旦那の世界は便利な物があるっすね」


誰もいないはずの後ろから声が聞こえた。


「「⁉」」


振り向くとそこにはピアーズがいた。


「ピアーズ、お前にはミアのそばにいろって言っただろ」


「あの子にはちゃんと許可はもらったっす。だから一緒に行かせてほしいっす」


「ピアーズ、貴殿大丈夫なのか?」


「・・・正直ここに来たことは後悔してるっす。でもここに来なかったら、一生後悔するって感じたっす。だから・・・」


ピアーズはお前・・・


「制限時間があるんだ。急ぐぞ、ディア、ピアーズ」


「だ、旦那・・・うっす。ヘビの栄養になる前に脱出っす」


「そのいきだ」


俺たち3人はヘビの体内の奥に向かって進んでいった。



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