ディックとキャシー
「お前たち、行くよ」
「「「おおおーーー」」」
背中に斧を背負った、女性が複数人を連れ立って正門から出て行った。
「グランマ、お願いします」
「グランマ、頑張って」
出ていく人たちに声援が送られていた。
「あの戦闘にいる奴、グランマって言うのか」
「兄ちゃん、グランマを知らないのか?」
「ああ、田舎から、出てきたばかりなんだ」
隣にいたおっさんに怪訝な顔をされたので、世間に疎いふりをした。
「そうなのか。兄ちゃん、冒険者かい」
「ああ」
「なら、彼女は知らないとまずいぜ。彼女は冒険者はギルドっていうのに所属するんだが、彼女はそこのトップ『グランドマスター』だ」
なるほど、組合長みたいなものか。
「俺たちは親しみをこめてグランマって呼んでいるが、本人の前では言うと怒るから気をつけな」
そりゃ怒るな。グランマっておばあちゃんって意味になるしな。
「しかしあんな人数出てって大丈夫なのか?」
「ああ、今回のスタンピード正門のある南側からしか来ていないらしいからな」
「それはいつものことなのか?」
「いや、いつもは四方八方からくることもあるが今回は一か所で、戦力を集中できるから、被害はなさそうだな」
いや、これは・・・陽動だ。
「それを聞いて地下室から出てきたしな」
何⁈
「地下室から出てきたのか?」
「ああ、俺は非戦闘系だからな」
周りを見ても武器を持っていない、人がちらちらいた。
これでもしモンスターが現れたら・・・。ディアは・・・くそ。近くにいないか。
「なぁあんた」
俺は槍もっといる男に話しかけた。
「ん?何?」
「一緒に来てくれ」
「はぁ?どこにだよ」
「ここの反対側だ」
「そこにはモンスターはいないんだぞ」
「ここは陽動かもしれないんだ」
「ディック、どうしたの?」
茶髪に杖を持った女性が近づいてきた。
「こいつが北側に来いって、モンスターが来るかもしれないからって」
「北側にもちゃんと見張りがいて、モンスターが現れたら、知らせてくれるから大丈夫よ」
「目に見えない敵が現れるかもしれなかったら?」
「目に見えない敵?透明ってことか?」
「いや地下だ。この地面からくる振動。穴を掘っているやつがいる」
「いや、この振動はグランマたちがモンスターと戦っている衝撃の余波が伝わってくるだけだよ」
「俺の被害妄想ならいい、だけど俺の予想が本当なら大変なことになる」
「どうする?」
「ここに突っ立っても退屈だしな」
「ディック、ここを動いたらまずいんじゃ・・・」
「門の外に出るなって言われただけだ。だから北側に行っても問題ないだろ」
「それじゃあ」
「ああ、一緒に行ってやるよ。キャシーお前はどうする?」
「えっ?私?私は・・・」
キャシーは俺とディックをキョロキョロ見てから
「行くわよ」
3人で北に向かって走った。
「おい、そういえば名前聞いてなかったな」
「クサナギ・ショウだ」
「変わった名前だな」
「あなた、まさかテラ?」
「何か問題か?」
「いえ、ごめんなさい」
やはり、テラは嫌われてるらしいな。
「そんなことより、クサナギどうやらあんたは正しかったみたいだな」
地面が盛り上がりモンスターが出てきた。




