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大を救うため小を見捨てた

盗賊たちのアジトから女性たちを救いだした。俺たちはパルト村に戻っていた。


「村の者を助けていただきありがとうございました」

「体が痺れている盗賊たちがアジトにいるので国に連行するよう頼んでもらっていいか?」

「わかりました。しかし、あれだけの盗賊をお2人だけで倒すとは・・・」

「ああ、これを使ったんだよ」


俺はパララを見せた。


「それはパララですな」

「これの胞子を吸うと体が痺れる。痺れて動けない盗賊たちを縛ってきただけだよ」

「力ではなく知謀で倒すとはお見事ですな」


俺の策に村長は称賛していた。


村の着いた俺たちに村長は、感謝していた。村の人たちも喜んでいた。

助けた女性の1人がこちらに近づいてきた。


「・・・あの宝箱を置いたのは、あなたたちなんですか?」

「・・・そうだが・・・」

「・・・ということは村が襲われている時に村の近くにいたってことですよね?」

「・・・その通りだ」


「なら・・・どうして・・・どうしてもっと早く助けてくれなかったんですか?」

「・・・」

「カリーナ、お前なんてことを・・・」

「もっと早く助けてくれたら、お父さんは・・・」


カリーナは涙を流していた。村人は沈黙した。


「・・・俺の力不足でこんな方法しかとれなかった。申し訳ない」


俺は深く頭を下げた。ディアも続けて頭を下げた。


「行こう・・・」


しばらく、頭を下げ、俺たちは村を出た。


「私たちがきた時には彼女の父親はもう殺されていたと言わなくていいのか?」

「それを言っても彼女には言い訳にしか聞こえないだろう。だから言わない方がいいんだ」

「そうか・・・。ショウ、私は貴殿がやったことは間違っていなかったと思うぞ」

「ディア、ありがとう」


俺がもし戦闘系クラスだったなら、もっと多くの人を救えたかもしれない。わかっていたが、辛いな。


「お待ちください」


振り返ると中年の女性が追いかけてきた。


「貴殿は?」

「カリーナの母です」


彼女の母親ということは死んだ男性の妻か


「あなたの夫を」

「謝らないでください」


俺の謝罪をカリーナの母親は遮った。


「あなたは戦闘系のクラスではないのでしょう?」

「・・・はい」


「そんなあなたが私たちを助けるために全力をつくしてくれた。そんな人を責めるのは死んだ夫が聞いていたら怒ります。ですからどうか自分のやったことで自身を責めないでください」

「・・・ありがとうございます。気が少し楽になりました」

「あの・・これを受けってください」


カリーナの母親が渡してきたのは野菜だった。


「これは私たちが作った野菜なんです。お礼としては少ないかもしれませんが、感謝の気持ちです」

「そんな・・・受け取れません」

「お願いします。どうか」


「・・・わかりました。ありがたくいただきますね」


頭を下げて、懇願する姿に無碍にはできず、受け取った。


「娘を助けていただき、本当にありがとうございました。近くにきたらぜひ寄って行ってください。もてなすので」

「それは・・・」

「娘は気が動転しているだけで、心ではあなたたちに感謝していると思うです。だから、またパルト村に来てくださいね」


「はい、その時は是非」

「ディア、強くなろう。今度は誰も犠牲がでなくらい」

「ああ、もちろんだ」


見送るカリーナの母親を背に俺たちは歩き続けた。




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