嵌められた
盗賊視点
「ボス、これで全員みたいですぜ」
パルト村に襲撃した盗賊は村の人間を集めた。
「お前とお前とお前とお前だな」
ボスと呼ばれた男は若い女性を指をさした。
指を指された女性は手下によって移動させられた。
「きゃあー」
「やめて」
「娘を連れて行かないでくれ」
「うるせー。死にたいのか」
娘を連れていかれるのを防ごうとして動いた父親を盗賊は殴った。
「まったく、こういうやつは痛い目をみないとわからないようだな?」
盗賊は父親に剣を向け、切り殺そうとした。
「ボス、みてください」
手下が持ているのは宝箱だった。
「こんな村にこんなものがあるとは思いやせんでしたが、ラッキーですね」
「お前、中は確認したのか?」
「いえ、前勝手に開けたら、ボス怒ってきたじゃないですかー」
「そうだったか?まぁいい。開けろ」
手下は宝箱を開けた。中にはポーションと3つの物が入っていた。
「ボス、ポーションが入ってますぜ」
「おお、やりましたね」
「ポーションがあるなら、俺たちと戦えばよかったのによ」
「ここにいるやつは【農民】や【木こり】ぐらいだろ?」
「違いない」
「あとこの3つは何でしょう?」
「こいつは・・・ファーネルじゃねぇか」
ボスは手のひらサイズで四角い物を取り出し叫んだ。
「ボス、そのファーねんとかって何ですかい」
「これはだな・・・声を録音できるマジックアイテムなんだぜ」
ボスは右の青いボタンを押した。
「あ~。俺は黒い牙のボス、ザッシュだ」
ボスは、再び青木ボタンを押した。
「みてな」
ボスは左の赤いボタンを押した。
「あ~。俺は黒い牙のボス、ザッシュだ」
「おお、ボスの声だ」
「こいつはすげぇ」
盗賊たちは思いがけない戦利品を手に入れ歓喜した。
「売ったら、いくらになりやすかね?」
「俺が昔みたのはこれより大きかった。それで2万ファーだったが、これは小型だ。もっと高く売れるぞ」
「2万⁉」
「しかももっと高くなるだって」
喜びのあまり一部の盗賊は踊り始めた。
「ボス、他の2つはどんな機能があるんですか?」
「知らん」
「「「えっ?」」」
「俺が博識な人間にみえるか?」
「たしかに」
「ボスは、字も読めない人だった」
「ボス、すみません。俺たちが間違っていました。」
「お前ら、少しは否定しやがれ」
「「「すいやせん」」」
「まったく。ひくぞお前ら」
「「「へい」」」
盗賊たちは女性を連れてパルト村を去っていった。
盗賊たちは自分のアジトに使っている洞窟に戻っていた。
「お前ら今日はよくやった。今日は無礼講だ。飲め、食え」
「「「おおーーーー」」」
盗賊たちは今日の戦果に満足し、はしゃいでいた。
「ボス、すげえマジックアイテムを手に入れたって聞いたんですが」
「ああ、お前は見てなかったか」
「どんなものなんです?」
「今、見せてやるよ」
ボスは宝箱持ってきて、開けた。すると黄色の煙が出てきた。
「なんだ?こ・・・れ・・・は・・・」
盗賊たちは次々と痺れて倒れて行った。
(どういうことだ?最初に開けた時にはこんなものなかったのに・・・)
「どうやら、うまくいったな」
「ああ」
黒髪黒目の男と赤髪碧眼の女が入ってきた。
「しかし、あんな仕掛け、よく作れたな」
「手品の仕掛けの技術の応用だよ。さぁ連れ去られた女性にパラライズヒーリングを飲ませるぞ」
(こ、こいつらがあの宝箱を置いていたのか)
ボスは宝箱が罠だったことに気づいたが、もう手遅れでなにもできなかった。




