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キノコは取り扱い注意

ファスタリアに来て3日、俺は草をむしっていた。

なぜそんなことをしているの?と思うだろう。これは数時間前に遡る。


「う~ん」


「どうしたんだ?ショウ」


「チャールズからもらった植物図鑑を読もうとしたんだが、字が読めん」


地球ではいくつかの言語を読めたが、ファスタリアの文字は読むことはできなかった。


「せっかくもらったものだが文字が読めるようにならないとな」


「私は読めるぞ」


「えっ?」


ディアは文字が読めたのか。正直、剣のことしかできないと思っていた。


「今失礼なこと考えていなかったか?」


ディアがこちらを睨んでいたが、俺は誤魔化すことにした。


「あ、あの草。ここに載っている同じだよな?」


とげとげしい葉にこの細い茎、チャールズさんの絵の通りだ。絵には薄いピンクの花が咲くみたいだが、これはまだ花がないな。


「アグルだな。パラライヒーリングの原料になると書いてある」


「おお、それなら採取しておこう。町で売れるかもしれないからな」


「わかった」


俺たちは図鑑に載っている草を採取していた。だが


「それ違う奴だろ」


「葉の模様が違う」


「なにそれ?紫?」


ディアが持ってくるのは全然違うものだった。図のやつを持ってくればいいのになんで違うのを持ってくるんだ?


「俺がやるから休憩していいぞ」


これ以上変なのを持ってきても困るので、ディアに休憩を促した。

ディアは不服そうだったが、疲れたのか木陰に向かっていた。

その間も俺は採取を続けていた。


「ショウ、見てくれ」


ディアが声をかけてきたので、振り向くと黄色と茶色のまだら模様のキノコをたくさん抱えてやってきた。


「これはパラライズヒーリングの原料にあったキノコだ」


ディアが言うのでページを開いた。たしかに似ている。


「ディア気を付けて運べよ。それが本物なら、胞子を吸うとしびれて動けなくなるからなー」


いやな予感がした俺はディアに注意した。


「安心して、待っているが、っわ」


ディアは転びキノコから胞子が出た。

俺は胞子を吸わないために距離をとり、胞子が見えなくなるまで待った。

ディアはまったく動いていなかった。


「・・・お約束をやるとは・・・」



胞子が見えなくなった後、ディアに近づき、胞子を吸って動けないディアに俺はパラライズヒーリングを飲ませた。






「・・・」


「ほら、お前のおかげでこんなにパララが手に入ったんだ」


ディアはへこんでいた。どうやって元気づけようかと悩んでいると村が見えた。

村はやけに煙が上がっていた。これはまさか・・・


「ディア、落ち込んでいる場合じゃないぞ」



村は10数人の盗賊に襲われていた。家は燃やされたり、人は殺されたりしていた。


「助けなければ」


ディアは今にも介入しようとしたが、俺は止めた。


「待て」


「この状況で待てるか」


その気持ちはわかるが落ち着くんだ。


「相手は10人以上いるんだぞ。お前1人で何人相手できる?それに人質をとられたらどうする?」


こういう場合無鉄砲にいくのは自殺行為だ。最善の行動を考え、行動するべきだ。


「私は弱き人々を守るために軍人になったのだ。それなのにここでみているだけなんてできん」


ディアは両手を握りしめていた。


「ノブレスオブリージュの精神は見事だが落ち着け」


「なんだ?その、ノブなんとかというのは?」


「強い力を持つものは、弱いものを守らなければならない、そういう意味だな」


「そうなのか・・・」


「俺に策がある。うまくいけば、これ以上死人は出ず、盗賊も捕まえられる」


「本当か?」


ディアは落ち着いたようだった。


「ああ、任せろ」



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