また会うひまで
「この三つがどこにあるかわかるか?」
俺はゲンさんから、もらった紙をチャールズに渡した。
「この花は・・・リシンカだな。次はユニコーンの角に矢印があるので必要なのは角の方か。そしてこれは海?いや湖か。どこかで見たことがあるような?・・・」
チャールズは髭を触りながら思い出そうとしていた。
「ラーシア湖っていう場所らしい」
「そう、ラーシア湖。なつかしいな。昔―――」
「あー。どこにあるか教えてくれ」
老人は昔話をすると長いからな。時間がそんなに残っていない今は勘弁してほしい。
「あー、すまない。しかしこの三つか・・・」
チャールズは苦虫を嚙み潰したような表情をした。
「難しいのか?」
「正直・・・な・・・。リシンカはハノールとう町にあるのが有名だな。これはそんなに難しくないが、問題はあとの二つだ。ユニコーンはアマゾーンによくいると言われているな」
「アマゾーンと言えば男子禁制の都市ではありませんか」
えっ?男子禁制?俺入れないじゃん。
「まぁアマゾーンの周りにいるのだから、かの都市に入る必要はないがな」
そうだよ。ユニコーンの角が目的なんだから、別にアマゾーンには入らなくてもいいんだ。よかったー。
「最後のラーシア湖だが・・・」
「秘境にあるのか?」
「秘境というか、アマデウスの支配地域にあるのだ」
「そういえばアマデウスって何か聞きそびれたな。なんなんだ?そのアマデウスってのは?」
「アマデウスというのは、邪神セラミスを信仰する、ヒューマンと獣が合体したような見た目を者たちの総称だ」
獣人みたいなやつか?
「そして『十二士』の大半はアマデウス出身者と言われてている」
十二士・・・テラが倒す相手・・・
「十二士を倒そうとするヒューマンとは、当然仲が悪いというわけだ」
「なるほど、簡単には行けそうにないな」
ラーシア湖の水は最後にしたほうがよさそうだな
「ハノールとアマゾーンどっちが近いんだ?」
「ハノールだな。順調に行けば二週間くらいのところにある」
二週間か・・・まぁ行けるだろう。
「よし、方針は決まった。ローレル、俺達はこれからハノールって町に向かおうと思うんだがいいか?」
ローレルは心ここに非ずのようだ。どうしたんだ?
「ローレル、おいローレル」
無視するので肩に触ると、手をはじかれた。
「どうしたんだよ?さっきから黙っていて変だぞ?」
「す、すま・・ない・・」
どうしたんだ。俺がいない間になにかあったのか?
「ふぉ、ふぉふぉ。クサナギよ。気にするでない。彼女は今とまどっているだけだ」
どまどっている?どういうことだ?
「今はほっといてやるのだ。彼女が落ち着いたら、話を聞いてやればよい」
よくわからないが、年長者のいうことだ従おう。
「さて、森をぬけるようだな」
チャールズが言ったように、ひらけた場所についた。
「ここから、まっすぐいけば小屋がある。今日はそこに泊まるといいだろう」
「本当にここで別れるのか?」
「お前たちにはお前たちの道があるように、儂にも儂の道があるだからここでお別れだ」
「そうか・・・」
「そんな子犬のような目で見るでない。儂が悪いことしているようではないか」
「はぁ?そんな目で見てねーし。勘違いするなよ」
「ふぉ、ふぉふぉ。それは悪かったな」
チャールズはとても楽しそうだった。
畜生ばかにしやがって
「チャールズ、諸々くれてありがとうな」
「いいんだよ。その代りにこっちはいい収納道具と食糧もらったしな」
チャールズはリュックを背負いスーツケース二つを持っていた。チャールズがポーションなど館にあるものを俺にくれるというのでタダでもらうのは、悪いと思い、物々交換を提示したのだ。
「カップラーメンの作り方はちゃんと覚えたか?」
「もちろん。儂は料理が苦手で、手早くすませたいので、これはとても助かるよ」
「毎日は食うなよ。健康に悪いからな」
チャールズさんみたいなタイプは研究に没頭して他がおざなりになりやすいからな。
「わかった、わかった」
「じゃあな。今度あったらまたお茶をのませてくれよ」
お茶の入れ方がうまい人のお茶は本当においしいからな。
「わかった。新作も用意しておく」
それは次に会える日が待ち遠しいな。
「楽しみだ。あばよーーー」
チャールズさんが見えなくなるまで手を振った。
「さて、俺達も行くか?」
「あ、ああ・・・」
俺達はチャールズさんと別れハノールに向け出発した。
チャールズ視点
クサナギ・ショウか気持ちのいいやつだったな。あんな男に会ったのは、ゲン以来だな。




