逃亡計画Ⅱ
チャールズ視点
「では、何をしにきたのかね?」
「それは、あなたと交渉しにきたんですよ」
「交渉?」
「はい、これを」
これは、誓約書ではないか。しかも《コントラクトゥス》がなされている。
「あなたなら、ご存じでしょうが、《コントラクトゥス》が発言している署名にサインをすることは・・・」
「わかっている・・・」
《コントラクトゥス》がされている誓約書にサインし、誓約違反をした場合、かなりの苦痛を味わう。名前は、ロックス・アリゲーター・・・金さえはらえば簡単に従うやつを選んだか。
「どうしたのですか?誓約内容に不満な点が?」
「ああ、多いにある。儂の報酬が少なすぎる」
「一割では納得いただけないと?」
「そうだ」
「あなたは金に無頓着だった筈ですが?」
「逃亡資金が枯渇して困っていたところだ。でなければこんな森に3年もいるわけないだろう。それに金は孤児院を運営するために必要なんだよ」
「孤児院?」
「ああ、儂は一度も結婚していない。だから子どもがいない。この年になって寂しくなってしまったんだ。だから・・・」
「いくらです?」
「とりあえず、前払いで1000万、それと利益の2割を」
「1000万とは、大きくでましたね」
「リリアントガーデンでやろうと思っているからな」
「ああ、あそこ物価高いですからね。エバンス様が愚痴ってましたね」
「本当は3割にしようかと思ったのを2割にしたのだぞ」
「・・・わかりました。では学会に掛け合ってみましょう」
「いいのか?」
「ええ、僕もプロフェッサーの報酬が少なすぎると思っていたので」
「ではよろしく頼む」
儂はバンスと握手した。
「もう夜中なので今日は儂の館に泊まっていくかね?」
「ええ、助かります」
儂は四人を館に入れ食堂に向かった。
「なんかいい匂いがするな」
「いままで嗅いだことがないが惹かれるな」
「プロフェッサー、この匂いは?」
「ああこれは、カレーという料理だよ」
「カレー?」
「聞いたことがないな」
「どこの地域の料理ですか?」
エンボット、レジフは涎を垂らし、バンスは足取りが速くなっていた。
「さぁ?儂が作った料理ではないので」
「え?では誰が?」
「彼女ですよ」
食堂には、クラウディアが食事を用意して立っていた。




