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ぽつんと一館

昼飯を食べて、森を慎重に歩いたが、まだ抜けられていなかった。


今日は森を出るのは不可能だな。夜になる前に野営の準備するか。


「ショウ見ろ」


クラウディアが指さした先に建物らしきものが微かにみえた。


「今日はあそこで夜を過ごすか」


「うむ。それがいい」


しばらく建物の方へ歩いていて十分ほどかかった。その建物は森にあるには不似合いな立派な館だった。

野宿しなくてすみそうだ。ん?森の中に立派な館・・・前に読んだ小説にこんなシーンがあったな。館に入ると白衣の老人が出できて、その人がマッドサイエンティストで地下の部屋で人体実験を行っているって設定だったな。


「すまない、だれかいないだろうか?」


クラウディアはノックをしたあと尋ねた。返事はなかった。


「誰もいないのか?」


「入ってみるか」


俺がドアノブを触ろうとしたら、クラウディアが止めてきた。


「だめだ。人の家に勝手に入るのはいかん」


「え?いや、もう暗いし、野宿するのは、いやだろ?」


俺達が口論していると扉が開いた。


「お前さんたちなんのようかね?」


白衣を着た老人が立っていた。





「そうかそれは災難だったな。儂はチャールズと言う。なにもないところだが、ゆっくりしていってくれ」


チャールズさんは俺達にコーヒーを出してくれた。ふぅー、一息つけたわ。

勝手にびびってすいません。


「クラウディア・ローレルだ」


「俺はクサナギ・ショウだ」


「よろしく。しかしここはリリアントガーデンではなく、セーボルト大森林という場所なのだが・・・」


「!」


ここはリリアントガーデンじゃない?


「そうなのか?」


ずっとここがリリエントガーデンかと思っていたよ。


「リリアントガーデンはもっと南方だからな」


ここがリリアントガーデンじゃないとすると、なぜ俺達はここに転送されたんだ?あの装置の不備か?


「しかし不思議だな?転送器は正確に対象を運ぶ代物だったはずだが?」


「それってつまり・・・」


「うむ、だれかに意図的に送られた可能性が高いな・・・」


だれか?まさかあの男か?


「心当たりがあるみたいだな?」


「あぁ、まぁな」


あのワースグールって男、警戒した方がいいのかもしれないな。


「しかし、転送先がここでよかったな。もしアマデウスが支配している地域だったら、お前たち死んでいたな」


「アマデウス?」


「なんだ?知らないのか?」


この世界では知ってて当然の言葉なのか?


「チャールズ殿、彼はテラなのです」


訝しげな表情をとるチャールズにクラウディアは代弁した。


「なるほど、君が今回のテラなのか」


チャールズさんはジッとこちらを見ていた。


「クラスは【商人】だから、家の周りのモンスターを倒してくれとかはできないからな」


俺には戦闘系アルスはないからな。


「ふぉ、ふぉ、ふぉ」


チャールズは大笑いをした。


「なんだ?馬鹿にしているのか?」


「いや、すまん。悪気はなかったんだ。許してくれ」


チャールズは頭を下げて謝罪した。


「お前さん今日一日中この森を歩き回っていと言っていたな。その時、一度でもモンスターに襲われたかね?姿をみたかね?」


!そういえば一度みていない。


「この森はモンスターがいないのですか?モンスターのいない森なんて生まれてからずっと聞いたことがないのですが?」


クラウディア興奮していた。

そうだよな。地球でいえば動物がいない森なんてきいたことないもんな。


「知りたいかね?」


俺達は頷いた。


「よかろう。なら見せよう。この森の秘密を」


チャールズさん立ち上がり俺たちを別の部屋に案内した。


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