アーティファクトとアルス
「ゴミ箱・・・だと」
おおー怒っているな。まぁ俺がスパゲッティを奴の顔に投げつけたからね。
「悪い、ゴミ箱じゃなくて、ゴミ野郎だったわ」
「なっ!俺が、だれかわかっているのか?」
「知らんな。自己紹介してもらえる?」
「き、貴様―――。いいだろう。俺はハイゼンシュタイン家の嫡男であのジェネラルの息子のハイドだ」
「よろしくハイド君」
「貴様―――」
握手をもとめただけなのに殴りかかってきた。遅いなこれなら岡田の方が全然早い。
俺は華麗に避けた。
「どうした。手加減してくれたのかな?」
この程度のやつなら問題なく勝てる。
「・・・いいだろう。本気でやってやる」
ハイドはグローブを取りだし、はめた。
「死んだら、この女と自分を恨めよ。《ストレート》」
また避けてやる。
「ぐはっ」
何?さっきとは別人と思える速さ、まるでプロボクサー級じゃないか?しかもこの威力、空手の師範の正拳突き並みだ。
「ほう?これを受けて立っていられるのか?さすがはテラに選ばれただけはあるな。なら
もう一発」
まずいな。今のをもう一発受けて立っていられるかな?
「そこまでにしただけますか?」
仮面をつけたメイドが俺たちの間に入った。誰だ?
「おい、邪魔するなよ。これは、男同士の決闘だ」
「アーティファクトだけでなくアルスまで使うのはいかがなことかと思いますが?」
「なら、そっちも使ってかまわないぜ」
「クサナギ様は【商人】ですので決闘には向きません」
「ああ?そういえば父上が言っていたな。今回のテラにははずれが一人いたと」
はずれか・・・まぁそんなこと言われていると思っていたよ。
「ええ。なので」
「なら問題ないだろ。戦力外な奴潰しても文句は言われないだろうからな」
「ふー。わかりました。ならわたくしがお相手いたします」
メイドが身構えた。
「何?」
ハイゼンシュタインは少し怯んだ。
「わたくしがお相手いたしますと言ったのですよ。ハイゼンシュタイン様」
「なぜお前が?関係ないだろ!」
ハイゼンシュタインは恫喝したが、メイドは意に介していなかった。
「主に危害をあたえようとした男・・・十分な理由になると思いますが?」
ハイゼンシュタインは冷汗をかいていた。自分がこの女に勝てないことを知っているからだ。
「わかった。もうやめる」
「ありがとうございます」
メイドはハイゼンシュタインに向かって頭を下げた。
「貴様の顔は覚えたからな」
そう言いハイゼンシュタインは去っていった。
「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?遅れてしまい申し訳ありません」
メイドはアデリーヌに駆け寄り、怪我がないか確認した。
「いいえ。助かりました。ありがとうございますレティシア。そうだクサナギ様大丈夫ですか?」
「昔、同じくらいのパンチを受けたことがあるから大丈夫だよ。しかしあいつグローブつけたら、別人のように動きが速くなったな」
正直、きつかったが見栄をはった。
「あれはアーティファクトです」
アーティファクト?ラノベとか漫画で聞くけど、なんなんだ?俺も手に入れたら使えるのか?
「アーティファクトはクラスにあったものを装備すると使用者の能力を上げる代物です」
「クラスにあったもの?」
「はい、剣士なら剣、槍士なら槍というかたちです」
なるほどそれじゃあ
「俺が剣や槍のアーティファクトを使っても」
「あれほど速く動けませんし、威力も下がります。さらにアルスも使えません」
やっぱりそうなりますよね。ちょっと期待したけどだめか~
「そういえば、さっきも言っていたが、アルスってなんだ?」
「アルスとは、アーティファクトに秘められた力のことです。クラスが上がれば使えるアルスも増えますよ」
必殺技みたいか。ん?クラスが上がれば使えるアルスが増える?ということは
「【商人】もクラスが上がれば戦闘系のアルスも使える?」
俺は期待した。戦闘系じゃないことに内心へこんでいた。だがこれから精進すれば戦えるならモチベーションも上がるものだ。ドラ○エの「遊び人」だって「賢者」になれば最強になるしな。
「「・・・」」」
しかし、二人は目をそらしていた。え?まさか?【商人】には戦闘系はないの?
「あのークサナギ様、実に言いにくいことなんですが・・・」
やめて、聞きたくないです。ん?あれ意識が・・・
ハイゼンシュタインにやられたダメージで体の限界を迎えた俺は意識を手放した。
アルデーヌ視点
「!!!レティシア」
レティシアが倒れるクサナギ様を抱き支えた。さっきの攻撃効いていないふりをしていましたが、無理をしていたのですね。
「レティシア、彼を寝室に運んでもらえる?」
ここで目を覚まして落ち込ませたくはありません。
「しかし・・・」
レティシアはまた他の誰かに襲われる心配をしているのでしょうけど、さすがにもう現れないでしょう。少なくとも今日は
「私は大丈夫だからお願い」
「・・・かしこまりました」
渋々といった態度ですが運んでくれるようです。よかった。
「ちょっと待って」
私は首にかけていたロザリオを彼の首にかけた。
「いいのですか?」
「うん、これは彼こそ持つべき物だから・・・」




