120話 桃色体験
コバルトは気を失った後、元いた宿に運び込まれ、そこのベッドで目を覚ました。あれ?ここはどこだ?そういえばさっきまで温泉にいたけど湯船で気を失って、ここに運び込まれたのか?
ドアがガチャリと開き、誰かが入ってくる、そしてコバルトの目に映ったのはレモンだった。
「コバルト!大丈夫!?気がついた!?あ、あのごめんね、あたしのせいで」
ん?なんで敵であるレモンがここにいるんだ?たしかに先ほどまで一緒に入っていたが、いったいどう言うことなんだろう?
「ああ、レモン、まあどうにか平気だ。ところでなんでお前はここにいるんだ?」
「良かった。まあそんなのいいじゃない。別に、あたしもうあなた達と戦う気はないし、ほら、ピュアちゃんも何か声かけたら?」
レモンがドアの方に向かってそう声をかける。そうするとそこからものすごく恥ずかしそうに俯きながらピュアが中に入ってきた。
「ん?ピュア?お前・・・?」
コバルトはピュアの姿を見て驚いた。クリームイエローだった髪と目は元のピュアホワイトで真っ白に戻っている。魔力顔料を落としたのか?そういえばコバルトも自分の羽を見ると黄色ではなく元の青色に戻っていた。
「コ、コバルト、気がついた!?よ、よかった」
「ああ、クリーム、い、いや、ピュア。ところで元の姿に戻ってるけど」
「ああ、うん。もうね、あたしがきたから必要ないのよ」
レモンが会話に口を挟む。
「あなた達、ここの国に来る時、変装してきたでしょ?まあ青魔族のまま来たらみんな騒ぎ立てるし大変なことになるから正解だったけど、あたしがこの街にきたのはあなた達に接触するためなの。あ、もちろん戦う気はないから安心してね。クロム様にあなた達を連れてくるように言われているだけだから」
「なるほどな。だから俺もピュアも黄色じゃなくて元の色に戻ってるってことか。まあそうだよな。お前みたいな幹部に接触したんだからもうわざわざこの国を探る必要はないだろう」
コバルトがそう言ってピュアを見るが、ピュアは先ほどからずっと下を向いたままだ。何やら思い詰めたような感じなのだがどうしたのだろう?
「ピュア?どうした?なんかあったか?」
「あ、あのいや、その、な、なんでもない!」
ピュアはそう言うと部屋から一目散に出て行ってしまった。コバルトはなぜピュアがあんなになっているのか理解ができなかった。
「レモン、ピュアはなんであんなになってるんだ?何かあったのか?」
「ああ、多分、その、あなたと温泉で鉢合わせちゃったから恥ずかしかったのかもね」
レモンがそう言うとコバルトは顔が真っ赤になった。
(そ、そういえばさっきまで温泉にレモンと一緒に入っていて、そのまま気絶しちゃったんだっけ。そ、そしてその後レモンに運び込まれたのか?うわ、恥ず!)
コバルトがいてもたってもいられず顔が真っ赤になって口を押さえていると、レモンも下を俯いて恥ずかしそうにしていた。
(あ、あの後、ピュアちゃんと二人で気絶したコバルトを温泉から運び出したのよね。は、裸のあなたを。それでサルファーにその後引き渡してここまで連れてきてもらった。あ、あたしもあなたの裸見ちゃったし・・・)
レモンがそう考えていると、部屋を出てったピュアはしゃがみ込んで一人でニヤニヤしていた。
(あたし見ちゃった♡コバルトの裸見れちゃった♡こ、今回は自分覗いたんじゃなくて気絶したんだから不可抗力よねー、緑の国で見れなくて残念で今回も見れないとおもってたけど、神様っているんだなー、えへへへへ♡)
ピュアちゃんは緑の国でみれなかった、念願のコバルトの裸を見れて嬉しくてホクホクだった。最初はレモンと一緒に入っていたことでかなりの怒りが湧いたが、それ以上にまさか叶うとおもっていなかった願いが叶ったのが嬉しすぎてそれどころではなかった。そしてコバルトにもそのことはバレていないし、ラッキーで仕方なかった。その日1日、ピュアは嬉しさのあまり、表情が常に笑みが溢れるのを我慢するのがとても大変だった。




