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蒼き輪廻の果てに 〜転生したら青い鳥だった件〜  作者: 水猫
第三章 「黄色い国」
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117話 黄色い温泉

コバルトが宿を出て温泉に向かうと、ライトは何やら思い詰めたような顔をしていた。そしてひと段落すると口を開いた。


「クリーム、悪いが俺はサルファーと二人だけで話があるから席を外してくれるか?サルファー、悪いが少し聞きたいことがあってな」


聞きたいこと?クリームは何か引っ掛かったがまあいいやと思い、言われるがままに部屋を後にした。そんなことよりどうやって温泉を覗こうか、何とかできないかと必死に考えていたのだ。


「サルファー、ここに来たということは何か言いたいことがあってきたのだろう?それにコバルトを温泉に誘導させてまで。さっさと用件を話せ」


「はい、ライト、アプリコット様より伝言を預かっております。『王宮にて待つ』とのことです」


サルファーはひざまづいたままカタカタと震えながら顔を疼くめてそう言った。ライトが怖い。怖くてたまらなかったが、アプリコットからの伝言を伝えるのは自分の責務だと言い聞かせた。


「王宮だと!?ここから近いのか?まあいい。報告ご苦労だった。俺たちを監視していたことがバレた事をアプリコットに話したようだな。他に隠していることはないな!?」


「は、はい!ございません!本当に何もありません!お、王宮までは私がご案内いたしますのでどうぞよろしくお願いします!そ、それではこれにて」


サルファーはカタカタと震えたままそう話し、部屋を後にした。ライトはそれを聞くと深く考え事をしだした。


(アプリコットめ、とうとうこちらの動きを監視する事をやめ、挑んできたか。まあいい。もはや黄色い国にはあいつとの決着をつけるためだけに来たようなものだ。そしてコバルトがクロムを倒せばこの国は落とすことができる)


(もはや一刻の猶予もない。すぐにでもこの国を落とさなければ、いつ赤魔族のような猛者が攻め込んでくるか分からない。そして透明の国にも行かなくては)


ライトはここの国に長居することはとにかく避け、一刻も早くアプリコットとの決着をつけなくてはとこの時思っていた。


一方こちらはコバルト。


宿から数キロ離れたところにあると言われている、砂漠の中にある温泉を目指して進む。どうやら街から少し離れた秘境のようだった。あたり一面何もない砂漠の中に、ヤシの木が三本はえ、ポツンと立っている大きな建物が黄色い四角の石造りの建物があった。


「ここが、言ってた温泉だな。なんだか黄砂が激しくて、風呂から出たのちに砂塗れにならないか不安だな」


コバルトはそんな事を考えながら建物に入る。中に入ると、受付に黄色い髪と目をした少女が待っていた。どうやら悪魔族のようだ。


「お待ちしておりました!あなたはコバルトさまですね。サルファー様から承っておりますので、どうぞ御自由にお使いください」


「ああ、はい、よろしく。あの、そういえばここの温泉、混浴って聞いてたけど今日は貸切でいいのかな?」


「はい、混浴というのは建前で、前はたくさんの魔族が誰でも自由自在に入れる温水プールみたいな感じだったのですが、相変わらず中で喧嘩や暴動が起きるので、サルファー様が貸し切りになさってくださったんです。なので本日はサルファー様のご紹介者様のコバルト様、クリーム様、ライト様のみの貸し切りとなっておりますのでどうぞごゆっくり」


受付の女の子はコバルトにペコリとお辞儀をするとそう言った。コバルトはそれに納得し、更衣室に入り、服を脱いで温泉に入った。うわーすごい!仕切りはちゃんとあるけれど、緑の国の温泉と違って、ものすごく広い温泉で岩がたくさん連なっている岩風呂だ。なるほど、これは大衆浴場だ。砂漠の中にあるオアシスならぬ温泉だな。


コバルトは羽をお湯に沈めふいーっと一息をつく。そして空を見上げた。ああ、とてもいい秋の昼空だ。砂漠の国で入る温泉も悪くないな。


「困ります!本日はサルファー様のご紹介の方の貸し切りとなっておりまして!」


「えーそんなのいいじゃん、せっかくあたし入りたくてわざわざきたんだしさ、それとも何?あたしよりサルファーのいう事を聞くっていうの?」


「ちょっと、お待ち下さい!」


何やら受付の方で声のやりとりがする。な、なんだ?今日は貸切って言うのに誰か入ってくるのか?女性の声だったが、まさかクリームが!?


ガラガラとドアが開き、誰かが入ってきた。湯気でよく見えなかったが、人型なので悪魔族の女性のようだ。や、やはりクリームか!?


ちゃぽっと湯に入る音がする。間違いない!よくみえなかったが、長い髪の女性だったのでクリームだ!コバルトは顔が真っ赤になって即座に近くにあった岩陰に隠れた。


「んー!相変わらずいいお湯♡あーあ、こんないいお湯にクロム様と二人で入れればなあ。そういえば貸切って言ってたけど誰か先客いるのかな?」


コバルトはどこかで聞いたことがある声がしてそれはクリームではないとこの時気づいた。あ、あの声は誰だ?それにしても貸切って言うのに入ってくるなんてなんてやつだ。


「あれ?あっちの岩陰に誰かいるみたい。ねーそういえばサルファーの紹介者って誰?こっちきて話しなさいよ。あ、べつにあたし男でも構わないから。混浴なんだし。このレモンちゃんと一緒に温泉入れるなんてこんな光栄なことはないわよー」


レ、レモン?レモンとは確か緑の国で一度戦ったことのあるあのお嬢様系の悪魔族の女か!な、なぜここに!?


コバルトは顔が真っ赤になり、岩陰に隠れて息を潜めているととうとうレモンが岩の上から身を乗り出してこちらにやってきた!


「あー!あなたあの時のコバルトじゃない!へー!客ってあんたのことだったんだ!わざわざ変装までして大変ねー!けどちょうどよかった!あたし今誰かと一緒に入りたかったから一緒に入ろ♡」


レモンはそう言ってコバルトの隣にまでやってきてコバルトにすり寄ってきた。コバルトは全身裸、このレモンも全身裸。こんな状況は生まれて初めてだったので、コバルトはどうしていいかわからず、顔が真っ赤になってただただ混乱していた。


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