113話 黄色い反撃
「どうした?コバルト、もうおしまいか?俺にすら敵わないならクロムには全く勝ち目はないぞ。少なくとも俺よりは実力は上だからな」
(クソ!なんだこれは!負けているわけではないのだが、どうも戦いづらい!鳥と獣の相性というやつか?)
「水乱斬り!」
コバルトの剣からライトに水の斬撃が飛ぶ。ライトは避けることなく、その斬撃を正面から受け止めた。
「絶対零度!」
コバルトの水乱斬りはライト向かって飛ぶが、ライトの絶対零度で瞬く間に凍り、届かなかった。自分がいつも使っている技に今度は自分が苦しめられることになるのだ。
「水属性の攻撃なら凍らすことはわけないな。これも相性というやつだ」
ライトが悠々とコバルトを眺めながらそう言った。コバルトの技は熟知しているので、対策も完全にしてあった。
「ライト!だがこれはどうだ!?疾風乱舞!」
コバルトの十八番の宙を駆け巡る技、疾風乱舞がライトに炸裂する。
「コバルト、お前はこの技が好きだな。ただ相手を考えろ。お前の攻撃も予測済みだ」
ライトは魔力感知を使い、攻撃を避けるかと思いきや、先ほどのように地面を駆け巡り、場所を特定できないようにした。目には目を、歯には歯をそしてスピードにはスピードをだ。
(クソ!これでライトを撹乱できるかと思ったが、同じような策に出るとは!位置が特定できない!)
コバルトはただ体力を消耗するだけかと思い、駆け巡るのをやめた。そして地面に降り、ライトの位置をどうにか突き止めようとした。
次の瞬間、ライトがコバルトの背中に斬りかかる!コバルトは咄嗟に反応し、左回りで再びライトの斬撃を受け止める!
ギン!ライトの斬撃をどうにか防いだコバルト。そしてその瞬間、ライトはニヤリと不適な笑みを溢していた。
「コバルト!よくぞ再び受け止めた!俺の地上でのスピードはミントに次ぐ速さだ!だがまたさっきと同じこと!今度は手加減しないぜ!全身を凍らせてやる!」
「ハッ!今度はお前が食らう番だなライト!」
コバルトの意味深なセリフと自信満々な表情にライトは首を傾げた。何?なんだ?どういうことだ?と。
(そういえばコイツ、なんで左手だけで剣を持っているのだ?左回りで俺の攻撃を受け止めたとしても、一刀流ならば剣は両手で持つはず!)
ライトがそう考えていると、コバルトの右手がものすごい勢いでライトの腹に炸裂する!腹を思いっきりグーパンで殴られたライトはその場から吹っ飛んだ!
「グハァ!」
バコォォォーン!ライトは宙にに舞い、口から血を吐いて吹き飛び、地面に倒れ込んだ。どうにか受け身を取り、着地はできたのでヨロヨロと立ち上がった。
「ハハハ!やっぱり強いなライト!俺は全く手加減なしにお前を殴り飛ばした。致命傷になるかとは思ったが、受け身をとってそうも平然と立ち上がるとはな!」
(へ、平然なものか!ものすごい一撃だった!ま、まさかコイツ、この一撃のためにあえて俺に攻撃を誘ったのか?そ、そうだ、コイツは戦闘センスがあるだけじゃなくて頭も切れるやつだった!し、しかしなんてやつだ!)
実力はコバルトの方が上であり、攻撃力も上。だが戦闘経験の長さと、鳥族に有利な獣族ということでそれえお埋められると思っていたが、こうも簡単に一撃を先にくらってしまった。
(コ、コバルト!すごい!たった一回受けただけで、もうあんな対策を練ってそれを実行するなんて!)
クリームがコバルトの戦い方を見て驚いていた。コバルト、やっぱり強い。経験がなく、相性の悪い獣族が相手でも瞬時に判断し、相手の隙をついている。こうして今度は、コバルトの猛反撃が始まったのだった。




