112話 黄色い鳥vs黄色い猫〜コバルト・イエロー・ルシファーvsライト・イエロー・キャット〜
「それじゃあコバルト!いくぞ!青氷の舞!」
ライトが間髪入れずにコバルトに斬りかかる。コバルトはライトの動きを読み、正面から剣で先ほど同じように受け止める。
ギン!音が鳴り二人は相対する。ライトはコバルトの腕の力に押し戻され空中に舞い、くるりと一回転をして着地した。
「ハハハ、コバルト、やはりお前にはこれは通用しないな。だがこれならどうだ?」
ライトは再び瞬時に移動し、目にも止まらぬ速さで当たりを駆け回った。足音だけが辺りに響き渡り、姿が見えない。
(ラ、ライト!思ったよりずっと速い!魔力感知を使ってもなかなか追いつけない!)
とうとうその一撃がコバルトの肩をかすめ、凍りついた。コバルトは瞬時に切り口に力を入れ、魔力を流し込むようにイメージすると、出血が止まり元に戻った。
「クソ!ライト!お前!」
ライトの猛攻は止む様子がない。コバルトはライトの位置をなかなか特定できずにいた。速い!速すぎる!攻撃力はそこまで高くはないが、スピードは異常だ!
次の瞬間、コバルトは宙に舞い上がり、空に逃れた。ダメだ、ライトの位置が早く確認が取れない。だが宙に舞えば届かないだろう。
「ハッ!コバルト!空に逃げれば逃れられると思ったか?」
ライトは動きを一旦やめ、ものすごい跳躍で宙にいるコバルトに斬りかかる。コバルトは空中でライトの斬撃を受け止めた。
(ラ、ライト!ここまで飛びかかってくるとはなんてやつだ!)
今度はコバルトがライトの力に押し戻され、宙で吹っ飛ぶと、飛んだ先にライトの姿があった。
「青氷の舞!氷獄斬り!」
コバルトは死角である背後からライトに斬りかかられると、とっさに宙でくるりと体を捻り、その斬撃を受け止めた。速い!速すぎる!
「コバルト!よくあの位置から俺の攻撃に反応した!さすがだ!だがこれはどうかな?」
「絶対零度!」
受け止めたライトの両手から魔力による凍気が流れ込む。コバルトはその凍気を押さえ込むことが出来ず、そのままパキパキっと腕が凍りついた。
「な、ライト!お前・・・!」
コバルトは瞬時にそこから移動し、距離を取った。そして両腕に力を入れ、魔力を流し込み、氷を砕いた。どうにか腕の芯まで凍っていなかった。
(な、何あれ?コバルトがライトに押されてる?どう言うこと?)
クリームは戦いを見て驚いていた。実力ではコバルトの方が上。そして一人と一匹とも以前より遥かに強くなっている。ライトもそうだがコバルトもレベルアップしたはずなのに、ここまでコバルトが押されるとは!
「コバルト、これで分かっただろう?たしかにお前は俺より強い、ただ今まで地上戦を得意とする獣族と戦ったことはないだろう?経験値の差だ」
ライトがステッキを腰に収め、話始めた。どうやら戦いは一旦休戦のようだ。
「お前が今まで戦った相手は鳥族のネイビー、竜族のメイズ、樹人族のハンタ、悪魔族のレモン、そして竜族のシグナルだったな。つまり獣族とだけ実戦経験がないのだ」
「俺は50年前の戦いで数多くの魔族と戦ってきた。そしていろんな種族との戦い方を見てきた。だがお前にはその経験がない。そして何よりひとつ言えることは」
ライトの目がギラリと光る。そして再び瞬時にそこから移動し、コバルトに斬りかかる。コバルトは同じようにそれを受け止めが、今度は力負けして吹っ飛ぶ。
「鳥が猫に勝てると思ったか?」
コバルトは距離を取ると、ハアハアと息を切らしていた。ライト、強い!今まで戦ったことはないがまさかここまでとは!コバルトはライトの猛攻に手も足も出ず、ただただ防戦一方となってしまった。




