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人のいないこの星で  作者: K.タロー
一章 一人と一羽と一体と
8/19

鳥型は見る世界の秘密の欠片

 ツバサはやはり便利なものだ高い所からものを見ればわかることも多いそれにソラには敵が少ない、あのヒトガタはタイヘンだ地上にはキケンがあふれてる逃げるのに苦労してるのだろう。


ヒトガタの言葉を受け、考える時間が欲しいと伝えしばらくヒトガタから離れることにした鳥型。


鳥型は空を飛びながら考える。

オレは自由だ、確かにソノはず。だがオレはまた飼い主を求めた、オレは自由ではないのだろうか。支配を求めているのだろうか?


鳥型は否定する。そんな筈はないと。

鳥型は羽をはばたかせ空を舞う。砂嵐が鳥型のバランスを崩し始める。鳥型は砂嵐で吹き飛ばされる前に穴の開いたビルの中に避難した。


砂嵐だヒトガタも安全なところで休んでいるにチガイない。ならオレも休もう。鳥型は頭の中でそんなことを頭でとなえ休むことに決める。


 しばらくしたが砂嵐は一向に収まる気配を見せない。鳥型はじっとひとところにいるのに飽きたのかほかの部屋に移動する。鳥型が移動した先の適当な場所にとまると、そこがスイッチだったのか動体センサーが作動したのかスクリーンに映像が流れ始めた。


「これはヒデオ博士の個人ログである。」

メモリーの記録名を無機質な人工音声が淡々と語り終えると音声と映像が流れ始めた。


 映像の中の人間は感情的に、しかし気力の薄い口調で語り始めた。

「近年、様々な種で突然死が起きていることは最早隠し通すことは不可能だろう。現にマスコミにもこの情報は“噂”としてもう広まっている。」


「レフラーの殺戮ウイルスの所為なのは明白だ。幸いなことか、レフラーはあれを特殊駆除剤と発表している。研究所に爆弾等が持ち込まれ、解決案の研究の妨害をされる心配は低い。私たちの方でもあのウイルスの無力化と変異を防ぐ方法を調査はしている。」


「しかし、われわれが吸い込んでいるこの空気にもおそらくウイルスは含まれている。正直研究員がいつ突然死してもおかしくはない。もう一つの幸いか。地下にこもって研究しようとしている研究員もおり。実際にこもっているものも何人かいるらしい」


「そこで我々地上で研究にいそしむ者達は地下の彼らに支援ユニットを送ろうと思う。地上に出られなければ新たなサンプルの確保は難しい。私は多くの私財を寄付した、あとはこれを聞いたあなたたちの多くが賛同し資金の調達の手伝いをしてくれることを祈る。」


「最後に、人類の希望のために。録音終了。」

最後の言葉には最初の気力の薄い口調とは違いあふれそうな感情を抑えるかのような口調であった。


「以上でヒデオ博士の個人ログの再生を終了します。」

メモリー再生の冒頭の無機質な人工音声がまたも淡々と語りメモリーの再生が終了する。


映像は止まったものの砂嵐は収まる気配を見せない。鳥型がこの映像を見て、理解していたかはわからない。ただの雑音程度の認識で興味すら抱いていなかった可能性もある。


 映像が止まりしばらくして砂嵐は収まる気配を見せてきた。鳥型は砂嵐に飲まれないぎりぎりの位置に移動し、外の景色をうかがう。


キレイな建物、砂嵐が止めば、ヒトガタはまた動くハズだ。止んだらオレも建物に向かいながらヒトガタを探すとしよう。

そんなことを鳥型は考えながら砂嵐が止まるのをじっと待つのだった。

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