人と機械の邂逅
時系列がずれる書き方をしなければよかった。一話の続きでもあります。というより一つ前の話が一話につながってます。はい
ヒトガタは砂嵐から逃げるために建物に入ると、機械の気配を感じ姿を隠した。機械は通常暴走しており、ヒトガタは見つかれば例外なく襲われてきた。しかしこの時に初めての例外と出会うこととなる。
機械は驚くことに自己紹介をし、ヒトガタとのコミュニケーションを取ろうとしてきた。
機械は自らをアダムと名乗った。ヒトガタは壁の裏に隠れ警戒しながらも「何の用だ。」と強気に言葉を返す。
「よかった、話の通じる方でよかった。」アダムはノイズの交じった音声で喜びの言葉をあげ、続けて「実は私の中の地形データと現在位置に齟齬がありまして、現在位置の情報の更新を行える場所をご存じないでしょうか?」と要件を告げた。
「機械ことは分からない。お仲間に聞けばいいんじゃないのか?」ヒトガタは姿を隠したまま返事をする。
「残念ながら彼らはメンテナンスができていないため、エラーが重なり壊れています。ですからあなたに尋ねているのです。公共施設の類でもあればよいのですが。」
「人間の建物なんてわからない。だが状態のいい建物を知ってる、そこに行けばいい」ヒトガタはほかに記憶にあるそれらしい建物を知らなかった。そのため鳥型とともに行こうとしていた建物を、アダムを名乗る機会を追い払うために教える。
「そこへ案内してもらえませんか、方向感覚機能に異常がないかも確認したいので。」しかしアダムはヒトガタの期待をよそに案内を頼む。
「俺に何の得がある?機械と違って生き物は得るものがなければそうそう動かないぞ」ヒトガタは次に利益の要求をする。
「そうでしょうね。そういうことも予測して、保存食の類を背部のバックパックに保管しています。案内をして下さればこれを提供しましょう。」しかしアダムはこれにも的確な返しをする。
「わかった、お前は俺を殺そうとしないのか?」今までの機械への不信から最後に正直な言葉を投げかける。
「なぜ私があなたを殺傷する必要があるのでしょうか。多くの機械はエラーで暴走してそのような行動をしているだけです。私は違います、それに生物の殺傷を目的とされた機械の製造記録は」
「わかった、わかったから。」ヒトガタはアダムの言葉を遮りゆっくりと動き出す。
「よし、今出るから動くなよ」
警戒を解かず慎重に動き出す、壁から姿をだし、アダムと名乗った機械を初めて目にする。二足歩行でマニピュレーターは多くの機械とは違い指は4本で人のものに近い仕様になっていた。
「なんてことないでしょう、改めまして私はアダム、アダムの13号機です。よろしくお願いします。」アダムは握手を求めるようにマニピュレーターを差し伸べた。
「ああ、よろしく頼む。」ヒトガタは差し伸べられた手に近づき握手をする。
「はい、アダムとおよびください。あなたのお名前は?なんとおよびすればよいのですか?」
しかし、ヒトガタはその言葉に返事をするのに時間がかかった。
ようやく返事をすると「俺達には名前はないよ、つけるやつがいなければ名前なんてあるはずはないだろ。」ヒトガタはただつぶやくような声でそう伝えた。




