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第89話 尾張の悪役令嬢様との思い出(72)
織田信長の『本当か父ちゃん?』の問いかけに対して織田信秀は。
「うん、本当じゃ」と頷き、満身の笑みを浮かべると。
その後、血も涙も無い馬鹿親子は二人仲良く。
「いっ、ひひひ」
と苦笑を浮かべる。
だけどそんなことを知らない俺は、その日の夜も吉の奴のストレス発散……。鬱憤晴らしの体罰……。拷問を受け続け。
俺は小姓らしく《《尾張の悪役令嬢さま》》の異常なまでの精慾の捌けにされてしまったけれど。
まあ、《《あの頃》》の俺は幼く、女性見る目がない、気持ちもわからない男であった。
しかし後々俺も《《尾張の悪役令嬢さま》》のことを考えてみると、吉の奴なりに俺との永久の別れをするのは寂しかったのではなかろうか? と思うのだ?
でも《《あの頃》》の俺はそんなことなどわからないから次の日に。
「竹千代……」と。
《《尾張の悪役令嬢さま》》に呼ばれ。
「……ん? 何、吉姉さま?」
俺は狸と言うよりも? 柴犬の子犬みたいに可愛く首を傾げた。




